生きがいラボ株式会社

介護と仕事を両立するための環境づくりを後押しする助成金

24.02.13
ビジネス【助成金】
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雇用の安定や職場環境の改善、従業員の能力向上や家庭と仕事との両立を支援するために、国や自治体からさまざまな助成金が支給されています。
事業を円滑に行うために活用したい助成金ですが、活用するためには一定の要件を満たしている必要があります。
実際にどのようなケースで助成金が活用できるのか、事例に沿って紹介します。
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両立支援等助成金『介護離職防止支援コース』

<Question>

両親などの介護を理由に、退職を申し出る従業員がいます。慢性的な人手不足のため、優秀な従業員が介護を理由に離職してしまうのは、企業としても相当な痛手をこうむります。介護離職は従業員のプライベートな事情による課題であり、会社としても従業員の処遇改善を試みたいと思っています。何か活用できる助成金などはありませんか?

<Answer>

そのような場合は、『両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)』が活用できます。
本助成金は、企業が従業員の介護離職を予防するために、さまざまな制度を作るなどの取り組みを行なった中小企業事業主に対して国から支援される助成金です。

本コースは該当労働者と面談して「介護支援プラン」を策定のうえ、プランに基づき労働者の円滑な介護休業の取得・復帰に取り組んだ場合(A:介護休業)、就業と介護の両立に資する制度を導入し利用者が生じた場合等(B:介護両立支援制度)の二つに大きく分かれます。
A、Bいずれも1事業主1年度5人までが支給の上限で、中小企業事業主のみが対象です。

本助成金の手続きの大まかな流れは以下の通りです。

A:介護休業
(1)従業員との面談、介護支援プラン作成
(2)プランに基づく業務の整理、引継ぎ
(3)介護休業取得(所定労働日 合計5日以上)
(4)休業取得時に支給申請
(5)職場復帰時、継続雇用3カ月後に支給申請※
※休業取得時と同一の対象介護休業取得者であり、休業取得時の助成金を受給しているなどの要件を満たす必要があります。

B:介護両立支援制度
(1)従業員との面談、介護支援プラン作成
(2)プランに基づく業務体制の検討
(3)介護両立支援制度の利用
対象の介護両立支援制度は下記の通りです。
・所定外労働の制限制度 
・時差出勤制度
・深夜業の制限制度
・短時間勤務制度
・介護のための在宅勤務制度
・(法を上回る)介護休暇制度
・介護のためのフレックスタイム制度
・介護サービス費用補助制度
(4)継続雇用1カ月後に支給申請


【支給額】
A.介護休業:
休業取得時30万円/職場復帰時各30万円
※業務代替支援加算あり

B.介護両立支援制度:30万円

【主な要件】
A.介護休業
<休業取得時>
●介護支援プランにより労働者の介護休業等取得・職場復帰を支援するという方針を周知していること
●対象労働者の休業開始前に、介護休業制度および所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること
●合計5日以上の介護休業を取得したこと
<職場復帰時>
●対象労働者を介護休業の開始日から支給申請日までの間、雇用保険被保険者として継続雇用、職場復帰時は職場復帰した日から支給申請日まで、雇用保険被保険者として3カ月以上継続していること
●職場復帰後、原則として、休業前に就いていた職務(原職等)に復帰させること   など

B:介護両立支援制度
●介護両立支援制度を利用したこと
●対象労働者を支給申請日までの間、雇用保険被保険者として1カ月以上継続して雇用していること

※申請期限は、A:『休業取得時』は対象となる介護休業取得日数が合計5日(所定労働日に対する休業日数)を経過する日の翌日から2カ月以内。介護休業の終了を待たずに申請期限が終了する場合あり。『職場復帰時』は介護休業終了日の翌日から起算して3カ月経過する日の翌日から2カ月以内。B:対象労働者による介護両立支援制度の利用実績が合計20日を経過する日の翌日を起算日とし、起算日から1カ月間が経過する日の翌日から2カ月以内(利用した視線制度の内容によって申請期限が異なります)。

【個別周知・環境整備加算について】(AまたはBに加算)
対象労働者への介護休業および介護両立支援制度に関する個別周知の取り組み、仕事と介護を両立しやすい雇用環境整備の取り組みの両方を行なった場合に『個別周知・環境整備加算』が支給されます。

なお、このほかにも細かい支給要件があります。
助成金について関心がある、もしくは活用を検討している企業は、厚生労働省のホームページに詳細が記載されていますのでご確認ください。
また、併せて専門家へのお問い合わせもおすすめします。

出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/content/001160257.pdf


※本記事の記載内容は、2024年2月現在の法令・情報等に基づいています。