生きがいラボ株式会社

通勤したくなる! コミュニケーションを強化するオフィスデザイン

23.06.27
ビジネス【人的資源】
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コロナ禍などをきっかけに長期に渡って在宅勤務をしてきたビジネスパーソンのなかには、通勤意欲が低下している人も多いようです。
一方で、従業員の勤務形態を在宅勤務から従来のオフィス勤務に戻す企業が増えてきました。
これには、『よきコミュニケーションの場』としてのオフィスの意義が、改めて見直されてきたことが大きく影響しています。
従業員がオフィスでよいコミュニケーションをとれることを実感できれば、「通勤しよう」という意欲が高まるでしょう。
今回は、コミュニケーションを活性化する『オフィスデザイン』の意味合いと、オフィスデザインを取り入れる際のポイントについて解説します。
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オフィスデザインとは何か。その可能性とは

オフィスデザインは単に机を並べたり、PCやコピー機などの機器を配置したりするだけのものではありません。
業務の連携がとりやすい導線やどこでどのような業務が行われているのかわかりやすい配置など、働きやすさを考えたデザインであることはもちろん、従業員同士がコミュニケーションをとりやすいミーティングスペースや休憩・リラックススペースなども必要です。
オフィスは、一日の大半を過ごす場でもあります。
働きやすく、快適なオフィスであることは、従業員の生産性の向上やコミュニケーションの活性化のほか、業務に対するモチベーションを強化し、企業に対するエンゲージメントを高めることにもつながります。

実例・これでコミュニケーションが活性化!

コミュニケーションの活性化にポイントを置いたとき、オフィスはどのようにあるべきでしょうか。
以下に、コミュニケーションを活性化したオフィスデザインの事例を紹介します。

【金融関連分野でシステム開発を行うA社】
A社では部署ごとの隔たりをなくし、社内をフリーアドレスエリア、仕事に集中するためのエリア、数名が集まって話すことができるミーティングエリアの3つに分けて設計しました。
フリーアドレスエリアでは中型のテーブルを複数配置し、集中エリアでは窓に向けて机を並べています。
このようにさまざまな部署の人が自由に行き来するオフィスデザインにすることで、風通しがよく、コミュニケーションが活発なオフィスとなりました。

【IT企業B社】
従来、B社ではプライバシーを重視し、席の一つひとつをパーテーションで囲っていました。
このパーテーションを取り払い、ミーティングができる小さなスペースを数カ所確保。
さらに、壁をホワイトボードとして利用できる特殊な塗料で塗るなど、話し合いをしやすくする工夫を施したことで、従業員の声が絶えず聞こえる活気のあるオフィスになったそうです。

【食品の企画・開発・製造・販売を行うC社】
食品の企画・開発・製造・販売を行うC社では、オフィスの中心にキッチンを設置し、社内の誰もが試作品づくりや試食を気軽に行える体制を整えました。
キッチンの周りにはフリーアドレスのデスクを並べ、どこでも自分の仕事ができるようになっています。
また、複数の場所にベンチソファを配置して、いつでもミーティングを行えるよう配慮しています。

デスクや家具の配置だけでも活性化は可能

コミュニケーションを活性化させる方法はさまざまですが、共通するポイントがいくつかあります。
一つは、可能であればフリーアドレスを導入することです。
フリーアドレスは従業員の席を固定せずに自由に選んで働くスタイルです。
固定された席と異なり、フリーアドレスであれば、毎回周りにいる人が異なります。
そのため、固定席では生まれなかった偶発的なやりとりが発生し、従業員同士のコミュニケーションが活性化します。

もう一つのポイントは、ゾーニングを工夫することです。
オフィスデザインにおいて、どこに何を配置するか、どのようにスペースを区切るか決定することをゾーニングと呼びます。
たとえばフリーアドレスであっても、大きなテーブルに複数人で座るコミュニケーションを取りやすいエリアと、一人で集中したいときに使うエリアを区別し、各自がその時々の状況に応じて使い分けできるようにするとよいでしょう。
また、コピー機やプリンター、コーヒーサーバー、ごみ箱などの機器や設備を一カ所に集めることで、従業員が自然に集まる機会が増え、声を交わすシーンも増えていきます。

社内だけではなく、顧客とのコミュニケーションに課題を感じている企業であれば、来客エリアに工夫を加えるとよいでしょう。
オフィス内に商談スペースや外部の人が自由に使用できるスペースを設けることで、従業員と顧客とのコミュニケーションの活性化が図れます。

オフィスデザインは経営トップの意向を反映しやすく、うまくデザインできればその効果をわかりやすく実感できます。
フリーアドレスなどを導入できない企業であっても、家具やデスクの配置を変更するだけで、成果を得た例もあります。
単に業務をこなす場として机を並べたり、訪問者に「すごい!」と思わせたりするためだけでは、オフィスデザインの効果を期待できません。
従業員の働きやすさを向上させ、コミュニケーションを活性化させるために何ができるか、オフィスデザインの視点から検討してはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2023年6月現在の法令・情報等に基づいています。