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もし、誤って『逮捕』されたら? 適切な対処と流れとは

22.09.13
ビジネス【法律豆知識】
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日本では『逮捕』され起訴されると99.9%が有罪になるといわれています。
これは身近な犯罪である『痴漢』も例外ではありません。
痴漢は許されない犯罪である一方、無罪の立証が難しく、身に覚えがなくても犯人とされてしまう可能性もあると兼ねてからいわれてきました。
現在、コロナ禍によって一度は減った通勤電車の混雑が戻ってきました。
もし、何もしていないにも関わらず、自分が痴漢をしたとほかの乗客から疑われてしまったらどうなるのでしょうか?
今回は、知っているようで知らない、逮捕の現実と対処法について解説します。
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『逮捕』は逃亡や証拠隠滅を防ぐため

逮捕とは、裁判所が犯罪を犯したと認める相当な理由がある人に対し、「逃亡するおそれ」や「証拠を隠滅するおそれ」がある場合に法律で認められている手続きです。

逮捕には、裁判所が発行する逮捕状に基づいて行う『通常逮捕』(刑事ドラマなどで、警察が紙を見せて行っているのは、この通常逮捕)、犯罪を行ったことを現場で確認した場合に行われる『現行犯逮捕』、重大な事件を犯したと認める理由がある場合に行う『緊急逮捕』があります

逮捕されると、警察による取り調べを受けることになります。
この取り調べは逮捕から48時間以内に行うよう定められており、警察は48時間の取り調べを経たうえで、事件を検察に送致します(よく『送検』といわれているのはこの手続き)。
検察は、送致を受けてから24時間以内に、『勾留』を裁判所に請求するかどうかの判断をしなくてはならないと定められています。
ここまでが逮捕の手続です。
つまり、逮捕されると72時間は、外部に出ることができなくなります

次に、勾留の請求が検察によってなされると、裁判所は、対象者の身柄を押さえる必要があるかどうかを判断します。
しかし勾留は、原則10日間、必要があれば延長請求がなされ、追加で10日間の計20日間、身柄を拘束されるおそれがあります。

ちなみに、勾留と読み方が同じで間違えやすいものに、『拘留』があります。
拘留は刑事裁判の判決として下される刑罰であり、これを課されると前科となります。
一方、勾留は罪があるかどうかの審理を受けている段階に行われるもので、刑罰ではありません。


勾留を避けるために、できることとは?

逮捕されてしまった場合、最初に考えなくてはならないのは、長期間の身柄拘束である勾留を避けることです。
そのため行うべきことは以下の2つです。

(1)検察官に対して勾留請求をしないように働きかける
(2)検察官が勾留請求をした場合には、裁判所に対して勾留決定を出さないように働きかける

(1)と(2)の両方を、速やかに行うことが重要です。

勾留は、(ア)逃亡のおそれ、(イ)住所不定、(ウ)証拠隠滅のおそれがある場合に、認められることになっています
そのため、(ア)~(ウ)がないと証明できれば、勾留は認められないことになります。

ひと昔前は勾留請求がなされると、ほとんどの場合、裁判所は勾留を認めるのが普通でした。
それを『人質司法』と揶揄されたこともありましたが、近年は、(ア)~(ウ)の要件がないことを弁護士がきちんと裁判所に証明すれば、勾留請求を認めないケースも増えてきています。
そのため、逮捕されてしまった場合には、速やかに弁護士に依頼し、早期に身柄が解放されるよう適切な対応を取ってもらうことが大切です。

また、逮捕されると精神的なダメージも大きく、家族や職場と連絡を取って説明したり、今後のことを相談したいと考えるケースがほとんどでしょう。
しかし、逮捕の段階では弁護士以外の人が接見することは認められていません。
そのため、逮捕段階では、弁護士が家族や職場との橋渡し役を担うことになります。

逮捕という非日常の出来事に直面した場合、ショックで正常な判断ができなくなってしまう人がほとんどです。
しかし、そのような場面をサポートするのが弁護士の仕事の一つです。
誤認逮捕はあってはならないものですが、万が一にも可能性はゼロとは言い切れません。
もしものときにどのように対処すべきかを理解しておきましょう。


※本記事の記載内容は、2022年9月現在の法令・情報等に基づいています。