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4月から義務化された商品・サービスの『総額表示』とは

21.04.27
ビジネス【税務・会計】
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2021年4月1日から、消費税課税事業者に対して、本体価格に消費税分を加えた『総額表示』が義務付けられました。
1日以降、商品の値札やチラシ、ホームページの商品紹介などに掲載するのは、税込の総支払額表示になります。
消費者には、支払額がひと目で分かり、大いにメリットがあるこの施策。
事業者にとっては、値上げに見える、表示の入れ替え作業に手間がかかる……などの難点もありますが、消費者のためにも徹底したいところです。
今回は、義務化された総額表示について、その経緯や内容を解説します。
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これまで免除されていた総額表示が義務化に

商品を購入する時、税抜価格で表示されていると、消費者が『支払うべき総額』がわかりづらくなってしまいます。
そこで、事業者には原則的に、総額表示が求められてきました。

ただし、2014年4月から2019年10月にかけては、消費税の段階的な引き上げが行われていたため、その都度、事業者が表示の切り替えに対応するのは負担が大きいと考えられました。
そこで、2021年3月31日までの期間は、条件を満たせば総額表示が免除されるということが、『消費税転嫁対策特別措置法』で定められていました。

この措置法が3⽉31⽇をもって失効したことにより、4月からはすべての商品に関して、再び総額表⽰が義務づけられています。
したがって、値札はもちろん、チラシやホームページの商品紹介、ポスターや広告など、消費者に対する価格表⽰は、すべて総額表⽰に切り替える必要があります。

ここでいう総額表示とは、いわゆる税込価格のことです。
国税庁によると、以下のように価格を表示することが、総額表示に該当するとしています。

●11,000円
●11,000円(税込)
●11,000円(税抜価格10,000円)
●11,000円(うち消費税額等1,000円)
●11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
●11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等10%)
●10,000円(税込価格11,000円)

この際のポイントは、支払総額である『11,000円』が表示されていれば、消費税額等や税抜価格を併せて表示することも可能だということです。
大切なのは、支払総額が消費者にひと目でわかるという点なのです。


総額表示に切り替えるにあたっての注意点

では、もしも総額表示に切り替えていなかった場合、どのようなことが起きるのでしょうか。
実は、特に罰則などがあるわけではありません
ただし、消費者の勘違いを誘導するような表示を行っていた場合は、『不当景品類及び不当表示防止法』違反になる可能性があります。
何より、いつまでも表示が税抜価格のままでは、消費者の不信感を招くことにもなりかねないので、総額表示への切り替えがまだであれば、早急に変える必要があります。

総額表示に切り替える際の注意点としては、消費者に分かりやすいように表記するということがあげられます。
小さな文字で価格を表示したり、商品に値札を貼らずに、棚だけに価格を掲示したりといったやり方は、誤解につながるとされ、明瞭にするように求められています。

また、メーカーから税抜の希望小売価格が表示されたパッケージで商品が届いたり、税抜表示だった頃の商品などを販売したりする場合は、価格の上にラベルを貼ったり、POPで周知を図ったりして、税込価格を分かりやすくする必要があります。

一方で、商品ではない100円ショップの看板や、1万円均一セールなどのポスター、さらに小売店用に作成されたカタログ、見積書や契約書、請求書などに関しては総額表示の対象にはなりません。
総額表示の義務が発生するのは、あくまで『消費者に向けた商品』のみとなります。

総額表示義務は、事業者にとっては何かと負担の増える施策ではありますが、消費者のためにもしっかり対応していきましょう。


※本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。