生きがいラボ株式会社

新型コロナ感染者への対応と診察時の院内感染防止策とは?

20.05.07
業種別【医業】
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新型コロナウイルスの感染者数は増加傾向にあり、今後の感染拡大が懸念されています。
なにより怖いのは、感染者を診断した際に、患者を介して医療関係者に感染してしまう『院内感染』です。
これを防ぐには、感染症患者が病院を訪れた際や診療後の対応を適切に行うことが必要になってきます。
厚生労働省では、医療機関や検査機関などの従事者へ向けたガイドラインを発表していますので、これに基づいて医療従事者がとるべき行動について解説します。
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感染の疑いのある患者が出た場合には

新型コロナウイルスに感染しているかどうかの診断方法は、現状では核酸増幅法(PCR法など)があり、各自治体と相談のうえ、検査をすることになります。
ワクチンや治療薬などは政府が関係機関への支援を続けながら、開発を急いでいる状況です。

このようななか、もし、発熱、強いだるさ(倦怠感)、息苦しさ(呼吸困難)など、新型コロナウイルスの感染が疑われる症状のある受診者がいた場合は、迅速に隔離し、疑似症として保健所に連絡する必要があります。
その後、地方衛生研究所または国立感染症研究所などでPCR検査を行い、感染しているかどうかが判明します。

ここでの擬似症の定義は、新型コロナウイルスの感染を疑わせるような症状のうち、集中治療や、それに準ずるものが必要でありながら、ただちに特定の感染症と診断できないものとします。

感染が疑われた患者への検査は、渡航歴やほかの患者との接触歴などを踏まえ、自治体が必要とした場合に行われますが、結果が判明するまでには1日から数日かかるとされています。
その際の検査費用などは不要です。

診察に関しては、患者が新型コロナウイルスの疑似症に当たらないか注意しながら、都道府県・関係団体などが公表している疑似症の基準に沿った診察を行う必要があります。


医療従事者への感染を防ぐには?
 
気をつけたいのは、感染者から医療従事者への感染です。
医療崩壊の危険性が危惧されている現状を踏まえても、これには最大限注意して処置に当たらなければなりません。

手洗いなどの衛生対策のほか、手などには消毒用アルコール(70%)、物や機材などの消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効です。
また、医療器具に関しては、グルタラール、フタラール、過酢酸などで消毒するのが効果的とされています。

そして、事務室や医療者控室は密集を避けて換気することを徹底します。
密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、密集場所(多くの人が密集している)、密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)のいわゆる“三密”を避けるということです。
さらに共用物を減らし、医療機器や器具をこまめに消毒することで、感染を防ぎます。

通常、患者と接触した対象者においては、『濃厚接触者』として注視する必要がありますが、医療従事者においては、サージカルマスクやゴーグル、手袋やガウンなど、適切な感染防護具を身に着けていれば、濃厚接触者とはなりません。

手袋などをしたまま目や顔を触らないように注意し、さらに、サージカルマスクや手袋などを外す際には、身辺にある物や空気を汚染しないように留意しましょう。
また、それらは所定の場所に、医療廃棄物として破棄する必要があります。

一方で、感染防護具が破れていたり、きちんと着けていなかったりといった、適切ではない使用をしていた場合には、濃厚接触者になってしまう可能性もあります。
その場合は個別の判断が必要になってきますので、保健所に相談してください。

きちんと防護ができていれば、濃厚接触者とはならないため、就業を控えたり休業したりする必要はありません
また、適切に防護具を使用していれば感染の可能性も低いため、PCR検査も行われません。
原則的に症状がない人へのPCR検査は行われないため、もしさまざまな事情によって検査を希望する場合は、保健所に相談しましょう。


来院者同士の感染予防のための配慮

医療従事者だけではなく、来院者同士の感染にも注意しなければなりません。
医療の現場は来院者同士が接触する機会も多いだけに、より慎重に配慮することが求められます。
診察時や待合室では、患者同士が一定の距離を保てるようにし、呼吸器の症状を訴える患者には、サージカルマスクを着用してもらうようにしましょう。

医療従事者は、院内感染を防止しながら、それぞれの患者の対応に当たることになります。
厚生労働省や国立感染症研究所などのWebサイトで正しい情報を得たうえで、適切な行動をとることが大切です。


※本記事の記載内容は、2020年5月7日現在の法令・情報等に基づいています。