生きがいラボ株式会社

ユーザーの行動を把握するためのマーケティングファネルとは?

20.01.28
ビジネス【マーケティング】
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商品をユーザーに購入してもらうには、まず認知の拡大から始まり、興味・関心を持ってもらい、そして検討の末に、購入してもらうというプロセスを踏みます。 
この一連の考え方をマーケティングの世界では、『マーケティングファネル』と呼びます。 
現在、ユーザーの多様化が進み、さまざまなマーケティング手法が考え出されていくなかで、この考え方は基礎のようなものです。 
そこで、ユーザーの行動と、企業側の施策を直感的に理解することができるマーケティングファネルについて、説明していきます。
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認知から購入までは4段階の逆三角形で進む

『ファネル』とは日本語で『じょうご』のことで、その形を模したものが、『マーケティングファネル』の概念を示す図としてよく使われます。
逆三角形を横に四分割して上から順番に、(1)認知、(2)興味・関心、(3)比較・検討、(4)購入と、番号を振っていきます。
この番号が、それぞれ消費者の意識を表しています。
最上部の『認知』から『購入』までどんどん消費者の数が減っていくため、逆三角形になるというわけです。

まず(1)『認知』は消費者に自社の商品を知ってもらう最初の段階です。
消費者に商品やサービスの存在自体を認知してもらわないことには商売は始まりません。
会社側は、認知の拡大と、関心の喚起を促す施策を行う必要がありますし、ここでどれだけ多くの消費者の認知を得られるかで、最終段階である(4)『購入』の数も変わってきます。

マーケティングにおける『認知』の施策としては、たとえば、わかりやすいテレビCMや、雑誌などの広告、街頭ポスターや電車の吊り広告などがあげられます。
このほかにも近年ではWeb広告なども選択肢の一つになってきており、検索連動型のリスティング広告なども施策としては効果的といえるのではないでしょうか。

次に(2)『興味・関心』の段階では、商品やサービスを『認知』した消費者のなかから、興味や関心を抱く消費者が現れてきます。
当然、その数は『認知』の消費者よりも絞られるため、少なくなります。

この段階で、企業側が行うことは、商品の充実度をアピールしたり、サービスの利点を提示したりするなどの施策です。
サービスの内容をわかりやすいWeb動画にしてもいいですし、雑誌などで記事広告という形で特集を組んでもらうのも効果的です。

そして、興味・関心を持った消費者は、次の(3)『比較・検討』の段階に入ります。
消費者は、同じジャンルで他に良い商品がないかなどの比較や、この値段は商品に見合っているかなどの検討を始めます。

ここまでくればあとひと押しで、この段階で企業側が行う施策の一つに、無料の体験モニターや試供品などで、そのサービスや商品に実際に触れてもらうというものがあります。
そのものをリアルに知ってもらうことで、良さを実感してもらい、購入につなげようとする施策です。

このほかにも、たとえば、レビューサイトなどで、他者から高評価をつけてもらう他者評価や、プレゼントキャンペーンなども、『比較・検討』の段階で行う施策としては効果的です。

そして最後の(4)『購入』に至るまでに、かなりの数の消費者が途中で脱落しているはずです。
最初の『認知』の段階に比べると、1,000分の1や、1万分の1かもしれません。
ここまで到達した消費者が、晴れて、自社の商品やサービスを購入してくれます。

しかし、購入にまで到達したからといって、企業側はここで何もしなくていいわけではありません。


購入後は『ついで買い』を促す施策を

たとえば、割引券やスタンプカードなど、次回も商品を購入してもらうための、誘引施策を打つ必要がありますし、ハンバーガーショップの「ご一緒にポテトもいかがですか?」のような『ついで買い』を促すような施策を考えなくてはいけません。

さらに、ユーザー登録やメルマガ登録の促進、消費者コミュニティの活性化など、マーケティング的にはやることが山ほどあります。

さらに、(1)~(4)の段階で行った施策が成功していたのかどうかを検証することも大切です。
どこかの段階で施策が間違っていたら、最終的な『購入』にまで至る消費者はぐんと減ってしまいます。
各段階で行った施策がどのくらい効果があったのか、しっかりと見定めましょう。

近年は、消費者の好みや価値観の多様化によって、このマーケティングファネルのような考え方は通用しなくなっているといわれています。
たとえば、消費者が、同じ『比較・検討』の段階に至っている場合でも、求めているものが『デザイン性』だったり、『機能性』だったり、異なる場合があるからです。
そうなると、単一的な施策ではなく、ユーザー個人に合わせた施策が必要になってきます。
つまり、コストを重視している人に、デザイン性をアピールしても意味がないということです。

しかし、ユーザーに個別にリーチするマーケティング手法も、このマーケティングファネルという基本があってのものだということを忘れてはいけません。

消費者が購入に至るまでの段階のうち、どこにいるかを把握するには、マーケティングファネルが必要不可欠です。
個人にリーチする新しい手法と併用しながら、消費者全体にアプローチしていくのが、これからのマーケティング戦略といえるのではないでしょうか。


※本記事の記載内容は、2020年1月現在の法令・情報等に基づいています。