生きがいラボ株式会社

仕事と育児を両立できる職場づくりで受けられる助成金制度とは?

19.06.11
ビジネス【助成金】
dummy
育児をしながら働く労働者を支援するため、保育園無償化など国をあげて、さまざまな取り組みが行われているなか、事業主による環境整備も求められています。
そこで今回は、『両立支援等助成金(育児休業等支援コース)』をご紹介します。
労働力確保の取り組みの一つとして本助成金制度を活用し、育児休業を必要とする従業員が働き続けられる仕組みづくりを進めてみてはいかがでしょうか。
dummy
『両立支援等助成金(育児休業等支援コース)』  

中小企業事業主が、以下の取り組みを行った場合に助成する制度です。
・作成した育休復帰支援プランに基づき、円滑な育休取得・職場復帰に取り組んだ場合
・育休取得者の代替要員を確保し、育休取得者を原職復帰させた場合
・復帰後仕事と育児の両立が特に困難な時期の労働者の支援に取り組んだ場合  

【対象となる事業主(抜粋)】
以下のすべての要件に該当することが必要です。
〈共通事項〉
(1)中小企業事業主である。
(2)育児・介護休業法第2条第1号に規定する育児休業の制度及び育児のための短時間勤務制度について、労働協約または就業規則に規定している。
(3)次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局長に届け出ている。また、届け出たその計画を一般公表し、労働者に周知させるための措置を講じている。
 
〈育休取得時〉
(1)労働者の円滑な育児休業の取得及び職場復帰について、育休復帰支援プランにより支援する措置を実施する旨を規定し、労働者へ周知している。
(2)育児休業取得予定者またはその配偶者の妊娠の事実について把握後、育児休業取得予定者の上司または人事労務担当者と育児休業取得予定者が面談を実施し、結果について記録している。
(3)育児休業取得者のための育休復帰支援プランを作成している。
(4)上記(3)で作成した育休復帰支援プランに基づき、業務の引継ぎを実施させている。
(5)上記(2)~(4)の該当者に連続3カ月以上の育児休業を取得させている。  

〈職場復帰時〉
(1)育休取得時の助成金を受給している。
(2)育児休業取得者の育児休業中に、職場に関する情報および資料の提供を実施している。
(3)育児休業取得者が育児休業終了前と終了後に、上司または人事労務担当者とそれぞれ面談を実施し、結果について記録している。
(4)上記(3)の面談結果をふまえ、育児休業取得者を原則として原職等に復帰させている。
(5)上記(4)の該当者を育児休業終了後、引き続き雇用保険の被保険者として6カ月以上雇用している。  

〈代替要員確保時〉
(1)育児休業取得者を育児休業終了後に原職等に復帰させる旨の取り扱いを、労働協約・就業規則に規定している。
(2)育児休業取得者の代替要員を確保した。
(3)雇用する労働者に、連続して1カ月以上休業した期間が合計して3カ月以上の育児休業を取得させ、かつ、(1)の規定に基づき原職等に復帰させた。
(4)上記(3)の該当者を育児休業を開始する日において、雇用保険の被保険者として雇用していた。
(5)上記(4)の該当者を、原職等復帰後、引き続き雇用保険の被保険者として6カ月以上雇用している。
(6)最初に本助成金を支給決定された育児休業取得者の原職等復帰日から起算して6カ月を経過する日の翌日から5年を経過していない。

  〈職場復帰後支援〉
(1)平成30年4月1日以降に、子の看護休暇制度または保育サービス費用補助制度を就業規則または労働協約に規定していること。
(2)育児休業を1カ月以上取得した労働者に、育児休業から原職等復帰後6カ月以内に、上記(1)の制度について一定の利用実績があること。
(3)対象育児休業取得者を育児休業開始日において、雇用保険被保険者として雇用していた、かつ、原職等復帰後、引き続き雇用保険の被保険者として6カ月以上雇用していること。  

【助成金の支給額】
生産性要件を満たした場合は( )内の額を支給。
〈育休取得時〉
28.5万円(36万円)/人
※1企業当たり2人まで(無期労働者1人、有期労働者1人)  

〈職場復帰時〉
28.5万円(36万円)/人
職場支援加算 19万円(24万円)/人
※1企業当たり2人まで(無期労働者1人、有期労働者1人)  

〈代替要員確保時〉
育児休業取得者1人当たり 47.5万円(60万円)/人
有期契約労働者である場合の加算 9.5万円(12万円)/人  

〈職場復帰後支援〉
制度導入時 28.5万円(36万円)
制度利用時
・子の看護休暇制度……労働者が取得した休暇1時間当たり1,000円(1,200円)  
※1企業当たり1年度200時間(240時間)を上限。
・保育サービス費用補助制度……事業主が負担した費用の3分の2の額  
※1企業当たり1年度20万円(24万円)を上限。

本助成金の取り組みを行うことで、会社側は経験がある貴重な女性労働者を育児を理由に離職させることなく確保することができ、また育児をする女性においては、復帰しやすい環境が構築され、より安心して働くことができるというメリットがあります。
女性が長く働ける環境をつくることができれば、今後入社する労働者も安心して働くことができ、長期的なキャリア形成もイメージしやすいものになりますので、この機会にぜひチャレンジすることをおすすめします。
なお、本助成金にはほかにも支給条件が細かく決定されていますので、詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。  

出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html


※本記事の記載内容は、2019年6月現在の法令・情報等に基づいています。