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養育費は法的整理をしている間、支払ってもらえないの?

17.10.13
ビジネス【法律豆知識】
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調停や審判などで養育費の支払い額を決めたのにも関わらず、その後、支払いが滞るケースも少なからずあります。

なかでも、養育費の支払い義務者に多額の負債があった場合、「破産」や「個人再生」の手続を取ることもあり得ます。

支払い義務者が法的整理をしている場合、養育費支払いの取り扱いは法的にどうなっているのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
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■破産手続における養育費の取り扱い 

破産手続上、養育費は非免責債権(破産法253条1項4号)となります。
支払い義務者が破産して免責許可を受けたとしても、養育費の支払い義務はなくなりません。 

しかし、破産開始決定時にすでに未払いとなっていた養育費は「一般破産債権」となり、他の債権と同じ扱いになるため、破産手続中に支払いを受けることはできません
その代わり、破産手続の配当に加入することが可能です。 

一方、破産開始決定後に支払い期日の到来する養育費については、約束通り、毎月の支払いを受け続けられます。
また、支払いが滞る場合には、給与差し押さえ等の強制執行をすることも可能です。 


■個人再生手続における養育費の取り扱い 

個人再生手続においても、養育費は非免責債権(民事再生法229条3項)となるため、未払い分も含めて減免されることはありません。 

しかし、再生手続開始決定時に未払いになっていた養育費は「再生債権」となり、再生計画認可決定後、最長5年の弁済期間は弁済率に従って圧縮された金額しか受け取れませんし、強制執行もできません。 

仮に再生手続開始決定時に100万円の未払い養育費があったとすると、一般的な弁済率である20%に当たる20万円を最長5年かけて分割で支払いを受けることになります。
残りの80万円は個人再生手続の弁済期間中に支払いを受けられないだけでなく、強制執行を行えないということです。 

弁済期間終了後は残額の支払いを受けられますし、支払われない場合には強制執行をすることも可能です。 

再生手続開始決定時に支払期日の来ていない養育費は、個人再生手続中も、認可決定後の弁済期間中も、月々支払いを求められますし、支払いが滞る場合は給与差し押さえ等の強制執行が可能です。
これは破産手続と同様の扱いとなっています。