生きがいラボ株式会社

院内の雰囲気づくりには欠かせない観葉植物の選び方

24.09.03
業種別【医業】
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病院や診療所の待合室は、患者にとって落ち着けて、リラックスできる空間でなければいけません。
そのための助けとなるのが、インテリアとしての観葉植物です。
待合室に観葉植物がある病院や診療所は少なくありませんが、実際に置く場合にはどのような観葉植物を選べばよいのでしょうか。
観葉植物と一口に言っても、値段から特性まで、さまざまな種類があります。
病院や診療所の待合室にふさわしい観葉植物の選び方を解説します。

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患者へのポジティブな心理的効果が見込める

病院や診療所の待合室は、病気やケガでつらい思いをしながらも、診察を待つ場所ですから、少しでも患者の不安感を和らげてくれる空間にしなければいけません。
患者にしてみれば、暗くて汚く騒がしい場所よりも、明るく清潔感があり、穏やかな雰囲気の待合室で診察までの時間を過ごしたいものです。

そんな待合室の雰囲気づくりに役立つのが、観葉植物です。
近年の研究では観葉植物による心理的な効果が認められており、部屋の印象がよくなるだけではなく、「身体的苦痛の軽減」や「ストレスや緊張の緩和」など、心理的にポジティブな影響があるとされています。
実際に観葉植物の「癒やし」の効果を検証する実験も行われており、観葉植物が視界に入ることで、ストレスを感じたときに分泌量が増加するホルモンのコルチゾールが減少することもわかりました。

また、観葉植物には空気清浄効果もあり、1984年にNASAが行なった実験では、一般的な観葉植物が揮発性有機化合物を一定の割合で浄化したという結果も出ています。
揮発性有機化合物とは蒸発しやすく大気中で気体となる有機化合物の総称で、大気汚染物質の原因の一つとされるものです。

メンタルヘルスケアや空気の清浄化などの面からも、待合室に観葉植物を設置したいところですが、一般的な専門店で購入できる観葉植物だけでも100~150種類ほどあるといわれており、一から選ぶのはなかなかむずかしいかもしれません。

病院や診療所の待合室にふさわしい観葉植物を選ぶ際のポイントはいくつかありますが、その前に、まずは植物が育成できる環境なのかどうかをチェックしておきましょう。
たとえば、日光がまったく当たらず、風通しも悪ければ、せっかく観葉植物を置いてもすぐに枯れてしまいます。
植物に適した環境でなければ、フェイクグリーンと呼ばれる人工の観葉植物を検討してもよいかもしれません。
フェイクグリーンでもある程度の心理的効果は期待できるとされています。

また、購入する前に観葉植物を設置する場所も決めておきましょう。
その設置場所に合わせて植物を選べば、大きな失敗はしません。
あまり太陽の光が当たらないスペースに置く場合は、「耐陰性」に優れた日陰でもよく育つ植物が好ましく、観葉植物を置くスペースがあまり取れないのであれば、横ではなく縦に伸びる植物を選ぶようにしましょう。

病院に向いている植物と向いていない植物

病院や診療所の待合室に置く観葉植物には向き・不向きがあります。
たとえば、忙しい院内では管理のむずかしい観葉植物は向いていません。
ホテルやショッピングモールなどにはベンジャミンがよく置かれていますが、定期的な水やりや剪定、風通しや光量が必要なベンジャミンは、非常に手間がかかるため、病院や診療所には向いていません。
植物に詳しくなければ、ベンジャミンは避けておくのが無難です。

虫が寄りつきやすかったり、葉落ちがしやすかったりする観葉植物もおすすめできません。
病院や診療所は清潔でなければならず、虫がついていたり、葉が落ちていたりすると、不衛生に見えてしまいます。

これらのことを踏まえて、待合室に観葉植物を置くのであれば、比較的手間がかからず、虫や葉落ちの心配も少なく、スペースもそこまで取らないサンセベリアやポトスなどがおすすめです。

実際に観葉植物を購入する際は、園芸店などで相談してみてもよいでしょう。
購入するのが不安であれば、レンタルという方法もあります。
観葉植物のレンタル業者は植物の提案から設置までを一手に引き受けてくれるのはもちろん、専門のスタッフが定期的に訪問し、植物のケアもしてくれます。
植物の痛みが気になった場合は、別のものと取り替えてくれるサービスを行なっている場合もあります。
待合室に観葉植物の設置を考えているのであれば、まず園芸店やレンタル業者に相談してみましょう。


※本記事の記載内容は、2024年9月現在の法令・情報等に基づいています。