有限会社 サステイナブル・デザイン

そろそろ補助金の季節です

15.12.17
オトク情報
先週、「小規模事業者持続化補助金」の実績報告を提出しました。
これから確認作業を経て交付されるのを待ちます。

さて、通常国会召集とか補正予算、来年度予算とかのニュースがぼちぼち目につくようになってきましたが、
これは、来年度の補助金の準備を始めるサインです。

「冬来たりなば、補助金申請準備、始めるべし、公募開始遠からじ」です。

国の予算ができるまで

国の場合、各省庁ごとに予算の原案をつくります。
この仕込みは、GW前後から始まります。
そして、各省庁内での検討を経てだいたい8月には、
各省庁の「重点施策」というのが出ます。

シンクタンク時代は、この重点施策の「タマ出し」段階の
ブレーンストーミングから、政策立案のお手伝いをしていました。

で、これを見れば、夏には、翌年度の政策の方向性をキャッチすることができます。
興味のあるかたは、「○○省 重点施策」で検索してみるといいでしょう。
そして、秋口に各省庁の概算要求が出そろいます。

いよいよ年末、つまり今頃になると、各省庁と財務省の折衝で、国としての予算案が編成されます。
この攻防で、金額が査定(要するに減額)されたり、事業自体が削られたりします。
なので、各省庁の予算案は「概算」要求と呼ばれるわけですね。

その政府予算案、今日、決定のようです。一般会計96兆円規模と報じられています。

で、年明けに予算案が閣議決定されるといよいよ国会審議、衆参両院で可決されると晴れて予算成立です。
通常は2月、3月ですが、今年度予算は、4月になってからようやく成立でした。

これが、いわゆる当初予算のざっくりとした流れですが、
当初にはなく、後から付け足される予算もあります。
それが補正予算です。

今年度の補正予算は3.3兆円規模で、やはり本日決定されるようです。

補助金の季節は「春」、準備は「冬」

補助金は、補正予算にも当初予算にもあります。
予算が成立しないことには、執行されません。

「予算可決」のニュースが流れたら、早いものは、数週間後には公募が始まります。
したがって、補助金の季節は、必然的に春になります。

今年度の補正予算の内容は、まだ詳細はわかりませんが、
閣議決定されたら公表されますので、まず、そのチェックからですね。

公募期間は1-2か月のことが多いのですが、公募が始まってからでは間に合いません

「さて、それじゃあ、何しようかな?」

と考え始めていると、あっという間に公募終了です。

では、どうしたらいいかというと、今から考え始める、見積もりを取り始める、
ということになります。

そして、今年度の補助金の公募要領・申請様式で下書きをして
7-8割の完成度まで持っていったところで、予算が可決となると、
ちょうどいい塩梅。

というのが理想の進め方です。

補助金に適している事業、そうでない事業

今年1年、いろいろな補助金のご相談を受けました。
その中で感じたことをいくつかお伝えしたいと思います。

1.補助金事業は、公募・申請・審査・採択・実施・報告・交付という、
一連の手続きをすべて公正・適正に行う必要があります。

なぜかといえば、補助金の元となるお金は税金だからですね。

補助金で事業を行うならば、他の納税者から、
自分の会社に税金を投資してもらうのと同じだ、
という意識をもつのが大前提です。

2.「すぐやりたいこと」「すぐやる必要があること」は、補助金には向いていません。
なぜなら、公募・申請・審査・採択までに、どう少なくみても2-3ヶ月はかかるからです。
逆にいうと、3ヶ月以上待ってもいい事業を申請するのがいいわけです。

それはいわゆる「緊急ではない重要なこと」です。

今すぐ実行して売り上げを上げたいならば、さっさと実行に移した方がいいでしょう。

3.いちばんよく言われるのが「えー、早く言ってよ」です。

「ホームページのリニューアル、しちゃったよ。それって対象にならないの?」など。

残念ながら、対象になりません。

申請した計画内容に沿って、採択された「後」に行う「新規投資」が補助金の対象です。
採択される「前」に行った「費用の穴埋め」ではありません。

4.そのほか、いろいろな注意事項があり、面倒だな、と思われる方もいらっしゃいますが、
それらを理解したうえで、、、、

「もし、お金の制約がなければ、こんなことできないかな」

と考えるとよいでしょう。
その「やりたいこと」にはまる補助金があれば、
「ちょうどよかった、申請してみよう」。

そして、採択されたら「よかったー」と喜んで実施する。

5.採択されなかったら「もう一度チャレンジ!」です。

なぜなら、不採択=自分の事業が否定された、と感じる方がいらっしゃいますが、
けして、そうではないからです。
多くの場合は、すぐれたビジネスモデルなのに「書き損なっている」のです。

シンクタンク時代、補助金申請の審査業務を受託したことがあります。
審査する側の申請書を見る目は、申請する側が思っているのとはだいぶ違います。
「もったいない」と思う申請書がたくさんありました。

たとえば今年度、とある補助金にチャレンジして採択されなかった申請書を
見せていただいた中には、、、見た瞬間に、その理由がわかったものもあります。
よくよくお話を伺ってみると、「ああ、それなら」と、実にもったいない内容でした。

というわけで、今年度補正予算・来年度当初予算の補助金を活用するなら、
準備を始めるのはいつ?

まさに、今でしょ!なんです。