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『ローン返済』のなかで経費として計上できる項目は?

24.03.12
ビジネス【税務・会計】
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法人や個人事業主は、事務所に使用する建物や社用車を購入する際にローンを組むことがあります。
こうしたローンで購入した不動産や車は、購入費用を減価償却して毎年経費にできるほか、ローンの返済時にも利息を経費として計上できます。
しかし、返済時に経費にできるのは金利のみで、借入金の元本は経費にすることができません。
また、事業のためにローンで購入したものを私的に使用した場合は、利子が経費として認められないこともあります。
今回はローンにまつわる経費計上について解説します。
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社用車の個人利用で利息が経費計上不可に!

法人や個人事業主が事業用に建物や車などを購入する際は、現金一括による支払いではなくローンを組むことによって、手元に事業資金を残しておけるというメリットがあります。
そもそもローンとは、金融機関から資金を借りて、毎月決められた額を返済する仕組みの金融商品のことです。
ローンの返済は、借入金である「元本」と、元本に対する「利息」で構成されます。

利息は借入金の額や返済期間、借入先などによって利率が大きく異なります。
たとえば、カーローンの借入先には、金融機関やカーディーラー、信販会社などがあります。
金融機関系のローンは利率の相場が年2~4%ほど、カーディーラー系のローンは金融機関系よりも高く、5~10%程度となっています。

カーローンは、一般的なマイカーローンのほかに、法人名義でローンを組める法人向けのカーローンもあります。
法人向けのカーローンを利用する場合、会社の財政状況や事業内容について借入先から審査を受けなければいけません。
会社を設立したばかりのタイミングでは信用度が低いため、借入先の審査が通らない可能性もあります。

また、法人名義の車は事業以外に使用することができません。
法人向けのカーローンは、ほかの法人向けのローンと同様、返済時に利息を経費として計上できます。
しかし、法人名義の車を個人で利用したことが発覚すると、利息が経費として認められないことがあるので注意しましょう。

さらに、法人名義で車を購入する場合には、車種にも注意が必要です。
具体的な指定があるわけではありませんが、スポーツカーや高級車などは、税務署から事業の用に供する社用車として認められない場合があります。
ただし、実際の走行距離などから事業に使用していることが証明できれば、スポーツカーや高級車でも社用車として認められる可能性があります。

ローンの元本と利息の勘定科目

事業のために組んだローンの利息を経費として計上する場合は、「支払利息」という勘定科目で計上します。
購入代金のすべてをローンで支払う場合には、購入時にローン利用額を「未払金」で処理し、頭金や手付金などを一部支払っているのであれば、その額を「前払金」とする仕訳が必要です。
購入時には、未払金から前払金を差し引いた額がローンの利用額となります。
そして、ローンの返済時には、未払金として計上している元本から返済分を差し引くと同時に、利息分となる支払利息を経費計上する必要があります。

では、なぜ利息は経費計上でき、元本は計上できないのでしょうか。
元本が経費として計上できないのは、金銭の貸し借りは損益とは無関係であるという前提があるためです。
税金は損益に対して課税されますが、借入金は損益には該当しないため、同じように返済した借入金の元本も経費にはなりません。
これは、事業資金専用のビジネスローンだけでなく、個人事業主の住宅ローンなどでも同じです。

ただし、ローンの元本は経費になりませんが、建物や車の減価償却費は経費として計上することができます。
つまり、建物はもちろんですが、事業用にローンで購入した車も固定資産となるため、「減価償却」を行うことになります。
減価償却とは、経年劣化する固定資産を一度に経費計上するのではなく、一定の年数に渡り分割して計上する会計処理の方法のことです。
固定資産は、国税庁によって法定耐用年数と計算方法がそれぞれ定められています。
たとえば、法人が新車の普通自動車を購入した場合は、法定耐用年数は6年になり、『定率法』という計算方法を使うのが一般的です。

法人名義で建物や車などをローンで購入した場合は、減価償却費や利息、さらに手数料や維持費、保険料や税金なども経費計上することができます。
一方、ローンの元本などは経費計上できないので、会計処理を誤らないように注意しましょう。


※本記事の記載内容は、2024年3月現在の法令・情報等に基づいています。