有限会社 サステイナブル・デザイン

集客アップ! ヘアサロンにまつエク・ネイルのサービスの導入

22.09.06
業種別【美容業】
dummy
ヘアサロンを経営するうえで、「今よりもっと多くの顧客を呼び込むためには」「店舗スペースや顧客の待ち時間を有効活用するには」といった課題は経営者の悩みどころです。
最近では、ヘアサロンのメニューに、まつげエクステ(以下、まつエク)やネイルなど、新たなサービスを導入するサロンが増えています。
ヘアサロン内でまつエクやネイルの施術を受け付けることは、サロンにとっては客単価の向上や集客力アップにつながり、顧客にとっては時間調整のしやすさや、顔なじみのスタッフがいる安心感といったメリットになります。
そこで今回は、ヘアサロンでまつエクやネイルサービスを提供するために、必要な資格や準備について説明します。
dummy
新サービスの導入には何が必要?

理美容サービスへの支出は2010年頃から減少傾向にあります。
ヘアアイロンやホットカーラーなどの美容家電の普及を背景に、特にパーマ代への支出減少は大きいといわれています。
今やコンビニより店舗数が多いといわれるヘアサロンのなかで、安定した売上げをキープしていくには、顧客が満足するメニューをいかに提供していくかを考えることが大切です。

そこで多くのヘアサロンが取り入れているのが、まつエクやネイルといった美容サービスの導入です。
まつエクやネイルは、日本全国に専門サロンがあります。
しかし、顧客のなかには、行き慣れたヘアサロンでまつエクやネイルを受けたいと思う人も多くいるでしょう。

まつエクやネイルサービス、もしくはそのいずれかを併設することで、客単価が上がり、いずれ新サービス単体の顧客も確保できるメリットがあります。
では、自店に施術メニューとしてまつエク・ネイル部門を取り入れる際は、どのような段取りで進めていけばよいのでしょうか。

まつエクやネイル事業をヘアサロンで始めるために必要な準備は、主に次の5つです。

(1)コンセプトの設定
メニューにまつエクやネイルを加えることで、改めてどのようなサロンを目指すのかを考え、ターゲットや提供メニューの想定を明確に整理します。
コンセプトを設定することで、スタッフや顧客にサロンの特徴を理解してもらいやすくなります。
また、顧客には「待ち時間を有効に使いたい」「行き慣れたサロンで施術を受けたい」といった潜在ニーズがあります。
パーマやカラーの施術中にまつエクやネイルを行った場合は割引するなど、新たなセットメニューを定番化できれば、客単価アップや集客につながります。

(2)スタッフの確保
スキルのある新規スタッフを雇用するのか、既存スタッフをアイリストやネイリストに育てるのか、スタッフの確保方法を考えます。
採用や教育に取り組む際は、新たなトレンドが生まれては消える業界で学び続けてもらえるかどうかなど、スタッフの適性を重視しましょう。

(3)施術スペースの整備
美を連想させたり、リラックスして施術を受けてもらったりする空間づくりも大切です。
増改築となると大がかりになってしまいますが、空きスペースの活用であれば比較的容易に取り組めます。
特にまつエクを受ける人は施術中の約1時間、目を閉じるため、周囲の気配に敏感になります。
ヘアサロン内の話し声やドライヤーの音、ほかの施術のにおいなどで気分を害さないよう、細やかな配慮も必要です。

(4)設備や道具の準備
施術用ベッドや照明器具、材料といった設備の購入も必要になります。
パソコンやタオル、消毒液といった備品は、ヘアサロンと兼用できるので、動線を含めて考えてみましょう。

(5)運用マニュアルの明確化
マニュアルをつくり、実際のサービス運用を事前にシミュレーションしましょう。
メニューや料金設定はもちろんのこと、予約の取り方からスタッフのシフト、接客スタイルまで、場面ごとの対応を想定したマニュアルを作成しましょう。


アイリストやネイリストに必要な資格・スキル

自店にまつエクやネイルのメニューを入れる際、もっとも頭を悩ませるのは施術するアイリストやネイリストの確保です。

まつエクを施術するアイリストとして営業するには、美容師の免許資格が必要です。
まつ毛パーマも同様で、美容師のみが施術できる技術です。

まつエクはかつて、無資格者の施術によって接着剤(グルー)が目に入るなどの健康トラブルが発生する事故が多発しました。
目元というデリケートな部分に対して施術を行うアイリストには、安全で確実な技術が求められています。

また、2人以上のアイリストが在籍する場合には、少なくとも1人が管理美容師免許の資格を取得しておかなければなりません
管理美容師の資格取得には

●美容師の実務経験が3年以上
●都道府県知事指定の講習会を受講

等の諸条件があります。
大規模サロンの場合、管理美容師が退職してしまうと資格保有者が不在になり、営業できなくなるリスクも認識しておきましょう。

一方、ネイリスト個人に必要な資格の規定はありません。
しかし、保健所に登録している美容所で施術できるのは、美容師資格のある人に限られています。
このため、ネイリストが美容室で顧客に施術する際は、たとえ技能検定試験で認定を受けた人であっても美容師資格が必要です。

また、必須資格ではありませんが、アイリストもネイリストも民間の検定試験が存在します。
顧客の安心や美意識へのニーズに応えるために、それらの検定試験を活用してもよいでしょう。

ヘアサロンにとって新たなサービスの導入は、スタッフやスペース、準備資金の確保など、なかなか手間のかかる仕事です。
それでも、顧客サービスの充実や集客効果が期待できるため、取り掛かる価値は大きいといえます。
提供できるサービスを増やして集客力を高め、総合サロンとして拡大する可能性を検討してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2022年9月現在の法令・情報等に基づいています。