有限会社 サステイナブル・デザイン

ポジティブ話法の達人

26.02.16
リテラシー
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頼まれたときにだけ
行っているオリジナルコンテンツの
セミナー・研修があります。
初回が2016年5月だったので、
ちょうど10年前ですね。
それが「ポジティブ話法」セミナーです。
今回は、その「さわり」を少しお伝えしようと思います。

ちなみに、「ポジティブ話法」は一般名詞ですが、
あくまで私の考える、私の実践している
「西原流」ということでご了解ください。

世の中にポジティブ○○はあふれているが

ポジティブ・マインド
ポジティブ・シンキング
ポジティブ・アクション
ポジティブ・フィードバック
ポジティブ脳
ポジティブ言い換え
などなど、ポジティブ○○がたくさんあります。

それだけ人々は、ポジティブになりたい、
ということは、自分はポジティブではない、
ネガティブである、という自覚があるのだと思います。

ここではざっくり、
ポジティブとは、積極的、肯定的、前向き、
ネガティブとは、消極的、否定的、後ろ向き、
といったぐらいに定義しておきましょう。

さて、本や教材、セミナーなどなどで、
ポジティブ○○を学んだことのある人は、
何百万人といらっしゃるでしょう。

しかし、世の中はポジティブな雰囲気になっているかというと、
逆に、SNSなどではドギツイ否定・批判・中傷のネガティブ表現が
あふれかえっているようです。

今まさに開催中のミラノ・コルティナ冬季オリンピックでも
五輪でのSNS誹謗中傷 12日までに6万2333件
という事態です。海外でもひどいようですね。

「西原流」ポジティブ話法のルーツ

さて、ポジティブ話法をセミナーコンテンツとして
まとめたのは10年前ですが、
対人コミュニケーションにおける実践としては、
それよりだいぶ前から行っていました。

ルーツとしては、大きく2つあります。

1つは、仕事です。
新卒から12年ほど、シンクタンクという業界におりました。
官公庁(中央省庁)や地方公共団体(県や市区町村)の
調査業務が多かったのですが、やることは基本的に
①調査(文献・資料、ヒアリング/インタビュー、アンケート)
②①をもとに資料づくり(文章・数字・図表によるドキュメンテーション)
③②の資料の説明(プレゼンテーション)
④②③を使った会議運営(ファシリテーション)
です。

で、④の会議運営というのは「合意形成」の場です。
会議参加者の意見を引き出し、調整し、
何らかの結論を出すことが目的です。

場数を踏むうちに、常に意識するようになったのは
「人が、人前でものを言う以上は、
言うだけの理由がある」
ということです。
たとえ、誰にも理解されなくても。
「聴く耳」の前に「聴く心」のセッティング。

だからこそ、そこを理解しに行くための
コミュニケーションを心掛けました。
時期的には、20代~30代前半のことです。

もう1つは、スポーツ指導者としての経験です。
タッチラグビーという競技で
競技団体の運営、練習会の切り盛り、チームリーダー、レフリー等々の
役回りを経験させていただきました。

あるとき、思うところがあって、他の指導者の指導ぶりを
観察していた時に、気づきがありました。
指導者の口から出る言葉が・・・
「それダメ!違うでしょ!こうやって!」
・・・禁止・否定・命令の言葉遣いのオンパレードだったのです。
「あ~、だから初めて来た人が、次から来なくなるんだ!」
と気づいたのですが、、、振り返ってみれば、
「私もそうだった」のです。
他人のことをとやかく言えた義理ではありません。

愕然としましたが、自分が受けてきた指導もそうだったので、
他にどういう伝え方をしたらいいか、知りませんでした。

しかし、禁止・否定・命令の反対の言い方をすれば
いいのだろう、と試行錯誤しているうちに
スキルらしきものが徐々にできてきて、
やがて意識して使いこなせるようになりました。
時期的には、20代後半~30代後半のことです。

誕生!ポジティブ話法

そうして40代に差し掛かろうという頃に、
「西原さん、何かコミュニケーションをテーマにした研修できませんか?」
というお題をいただいた時に、
瞬間的には「そんなことはできません、やったことありません」
と思ったのですが、
「もし、できるとすれば何だろう?」
と考えて出てきたのが「ポジティブ話法」でした。

エッセンスを一言で言ってしまえば、
「自分の口から出る言葉の8割以上をポジティブ表現にする」
ということに尽きます。
9割以上、10割としてもよいのですが、
あまりハードルを高くしすぎない方が取り組みやすいので8割。

実際に8割以上ポジティブ表現であれば、
相手からすると、ほぼ10割に感じられれます。

そして、ポジティブ表現とは、禁止・否定・命令の反対なので、
「受容・肯定・奨励の言葉遣い」
です。

私たちは、残念ながら、特段の訓練を受けたことがないのに、
皆、ネガティブ話法の達人
です。
リアルの社会も会社も家庭も、ネット空間も、
ネガティブ話法の応酬にあふれています。

これを変えるのがポジティブ話法です。
重要なのは、ポジティブ話法は訓練可能で習得可能なスキルだ、ということです。

標準的には2時間ほどの「ポジティブ話法」セミナーでは
それを具現化する具体的な言葉遣いを
ポジティブ話法の達人7STEP
として、お伝えしています。

それができるようになると、どんな変化が起きるのか?

禁止・否定・命令の言葉遣いが8割だった私が、
受容・肯定・奨励の言葉遣いが8割以上の人に変わることができました。
ものすごく集中力を高めて研ぎ澄ませば、ほぼ10割にもできます。

そうやって意図してポジティブ話法を使いこなせるようになると、
相手から感謝され信頼関係を早く深く築けるようなります。

ほめていないのに「認めてもらえてうれしかったです」
励ましたつもりはないのに「元気が出ました」
相槌・うなづきぐらいしかしていないのに「自信がつきました」
・・・と、笑顔をいただいたりします。

禁止・否定・命令のネガティブ話法の荒れた海で、
受容・肯定・奨励のポジティブ話法の人は、
灯台のように見えるのです、きっと。

はじめに○○ありき


大事なのは、物事の順番です。

人はなぜ、ポジティブ・マインドを学んでも、
ポジティブ・マインドにならないのでしょうか?

人はなぜ、ポジティブ・シンキングを学んでも
ポジティブ思考ができるようにならないのでしょうか?

人はなぜ、ポジティブ○○を学んでも
ポジティブ脳にならないのでしょうか?

ポジティブ話法をお伝えするに当たり、
生じた疑問です。

そこには、何か、根本的な考え違いがあるのではないか?
と感じました。

ポジティブ・マインドとは、心構えです。
ポジティブ・シンキングとは、思考です。
ポジティブ話法とは、発言です。

ここで質問です。
あなたは、次の2つの仮説、AとB、
どちらがもっともらしいと思われますか?


仮説A:
心構えがポジティブになれば、思考がポジティブになる。
思考がポジティブになれば、発言もポジティブになる。

仮説B:
発言がポジティブだから、思考がポジティブになる。
思考がポジティブだから、心構えもポジティブになる。

・・・
・・・
・・・
学問的に、どちらが正解なのか、わかりませんが、
私は、経験から、こう考えました。
↓↓↓
もし仮説Aが本当なら、ポジティブ○○の本や教材や講座が
たくさんあふれて、何百万人も学んでいるのだから、
世の中はとっくのとうにポジティブな人で
あふれていておかしくないはずだ。
ところが現実は、ちっともそうなっていないし、
そうなる気配すら感じられない。
むしろますますネガティブ話法がはびこり、
攻撃的な言辞があふれている。
何かおかしい。

では、仮説Bならどうか。
ポジティブな発言をするには、
ポジティブな言葉で思考する必要がある。
「笑いながら怒る」のが難しいように(竹中直人さんはできるけど)、
「ネガティブな言葉を使ってポジティブに考える」のは難しい。
自分の口から出る言葉の8割以上をポジティブ表現にするには、
自分の思考の8割以上にポジティブな言葉遣いをすることが必要だ。
常にそれを心掛けていれば、脳内は常にポジティブな言葉で
満たされることになる。
それが習慣化されれば、ポジティブな心構えが定着することになる。

どうでしょうか?

あくまで仮説なんですが、
私は仮説Bの方が現実にマッチしているように感じています。

で、初回セミナー準備の最終段階に、
ふと思い出したのが「はじめに言葉ありき」というフレーズ。
調べてみると、新約聖書「ヨハネによる福音書」の冒頭に書かれているそうです。

そして、日本にも「言霊」(ことだま)という考えがあります。

「しきしまの 大和の国は 言霊の さきはふ国ぞ まさきくありこそ」
柿本人麻呂(万葉集)

ここはひとつ、古今東西、古の人の智慧を
信じたほうがよいのかな?と思ったのです。

結論

人がいくら学んでも
ポジティブ・マインドにならず、
ポジティブ思考ができず、
ポジティブ脳にならないのは
・・・
・・・
・・・
ネガティブ話法を使っているからだ!
というのが私の結論です。

例)これからは、ポジティブ・マインドにならないといけない
例)ポジティブ思考をしなければならない

これらは典型的なネガティブ話法の例です。

ネガティブな言葉遣いで言う(考える)ことで、それぞれ、
・自分がポジティブ・マインドではないこと
・自分がポジティブ思考をしていないこと
を確認してしまっているのです。

ポジティブ○○を身につけたいなら、
言葉遣いから始めましょう!

まず、
ポジティブなことはポジティブな言葉遣いで言いましょう。

そして(上級編)、
ネガティブなこともポジティブな言葉遣いで伝えられるようになりましょう。

おまけ。

ポジティブ話法セミナー終了後、受講者の方から
こんな感想を言われることがあります。

「これからはネガティブな言葉を使いません
「今日からポジティブな言葉遣いにしないといけないと思いました」

これに「そうではありません」と返すと、講師の私も、
ネガティブ話法の人になってしまいます。

そこで、ポジティブ話法で返すわけですが、、、
さて、あなたなら、どう言いますか?

よかったら、下記より教えてください。
また、ポジティブ話法に興味を持たれたら、ご一報ください。

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