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昼と夜で別のお店に!『二毛作営業』を成功させるには

24.11.05
業種別【飲食業】
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昼と夜や、曜日ごとに別の業態で営業する飲食店が増えています。
同じ畑で2種類の異なる作物を栽培する二毛作農法になぞらえ、「二毛作営業」や「二毛作ビジネス」と呼ばれるこの営業手法は、特に飲食店が深刻なダメージを受けたコロナ禍をきっかけに注目を集めるようになったといわれています。
二毛作営業は店舗を有効に活用できる一方で、仕入れコストや従業員の負担が増えてしまうといったリスクもあります。
飲食店における二毛作営業のメリットとデメリットを理解しておきましょう。

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空いた時間や店舗を効率的に活用できる

一つの店舗を時間帯や曜日などで区切り、それぞれ別の業態の店として営業する「二毛作営業」が、外食産業を中心に広がっています。
たとえば、「昼はラーメン店、夜は居酒屋」「昼はカフェ、夜はバー」「普段は高級寿司店、定休日に和食料理店」といったように、二毛作営業にはさまざまなバリエーションがあります。
コロナ禍中、緊急事態宣言などから、夜の居酒屋などでアルコールを伴う営業ができなかったり営業時間に制限を設けられたりしたことから、売上の確保のために昼の時間帯に別業態での営業を行う店舗が増え、大きく注目を集めた営業形態の一つです。
近年は大手居酒屋チェーンや有名ラーメン店なども二毛作営業に取り組んでいます。

そんな二毛作営業の最大のメリットは、空いている時間帯や店舗を有効活用できることにあります。
通常、異なる業態の店を出すのであれば、新しい店舗を用意する必要がありますが、二毛作営業であれば既存の店舗をそのまま使用できます。
たとえば、夜のみ営業している店であれば、店舗や厨房の設備もそのまま流用して昼の時間に別の店として営業できるので、別の場所で新たに店を開いた場合に比べて、初期費用がそこまでかかりません。

二毛作営業は、空き時間を有効活用できるほか、片方の店のお客がもう一方の店に足を運んでくれる可能性も高くなるため、集客力アップや売上の向上を図ることもできます。
「昼はラーメン店で夜は居酒屋」のケースでは、ラーメン店の既存顧客に居酒屋をアピールすることで、夜の居酒屋としての営業にも興味を持ってもらえる可能性は十分にあるでしょう。
今までの業態では出会えなかったお客に、店を知ってもらえるため一石二鳥といえます。

また、広まってきているとはいえ、まだまだ二毛作営業は珍しい営業形態のため、他店との差別化になり、宣伝効果も期待できます。

二毛作営業を始める際に気をつけたいこと

空き時間の有効活用や売上アップなどのメリットのある二毛作営業ですが、デメリットについても理解しておく必要があります。

二毛作営業は異なる2つの業態の店を運営する営業形態なので、仕入れコストや従業員への負担が増してしまう可能性があります。
したがって、新しい業態での営業を始める際には、できるだけ負担を軽減できるようなジャンルを選ぶとよいでしょう。
たとえば、取り扱う食材についても、「豚しょうが焼きとトンカツ」や「ハンバーグと焼き肉」、「唐揚げと焼き鳥」といったように、可能な限り2店間で共用できるものを選ぶとよいでしょう。

また、各店のコンセプトにも気を配る必要があります。
夜が大人向けの高級店にも関わらず、昼が若者をターゲットにしたリーズナブルな店では、統一感がなく、方向性もバラバラで既存のお客を失うことにもなりかねません。
異なる店であっても、ある程度のコンセプトの統一は大切です。

また、二毛作営業と近いもので、「間借り営業」という業態があります。
別の人が経営する既存の飲食店が営業していない時間に、その店舗を借りて飲食店を営業することを指します。
空き時間や店舗を活用したいオーナーと、飲食店の開業を目指すオーナーを結ぶマッチングサービスも登場するなど、近年拡大傾向にあります。

一方で、第三者と同じ店舗を使用する間借り営業では、厨房の設備や在庫管理方法などで揉めてしまう場合もあります。
冷蔵庫や食材の保管場所の配分、食器や備品の管理など、トラブルにならないように、あらかじめお互いが店を運営するうえでのルールを決めておくのがベストです。
また、賃貸物件のオーナーへの許諾の有無や営業許可申請などについても、よく確認しておくことをおすすめします。
これらの注意点は、二毛作でも業態ごとに別の経営者が営業するケースなどで十分に起こり得る事態なので、該当する場合は気をつけるようにしましょう。

二毛作営業は成功すると、お互いの業態で相乗効果を生み、売上の向上に貢献しますが、利益率なども算定した具体的な計画と、入念な準備が必要です。
仕入れに係るコスト増や、従業員の負担増などで、共倒れにならないように、二毛作営業での営業を始める際は、慎重に進めていくことが大切です。


※本記事の記載内容は、2024年11月現在の法令・情報等に基づいています。