有限会社 サステイナブル・デザイン

『カットモデル』を選ぶ基準とモデルハントのコツ

24.11.05
業種別【美容業】
dummy

美容師が技術を高めるためには、カットモデルを使った練習が欠かせません。

カットモデルを確保するために街中で声をかけたり、SNSでアプローチしたりすることを「モデルハント」といいます。

カットモデルは無料もしくは安価で施術をしてもらえることが一般にも広く知られていますが、実際にカットモデルを引き受けてくれる人は決して多くはありません。

美容室のオーナーであれば、これからモデルハントを行う新人美容師に対して、カットモデルを選ぶ基準や、モデルハントの成功率を高めるためのコツなどを伝えられるようにしましょう。

dummy

スキルアップに必要なカットモデルの選び方

カットモデルとは経験の浅い美容師の練習台になってくれるモデルのことで、通常は美容師みずからがカットモデルを探します。
その場合は、まず、美容師の練習したいヘアスタイルの実現が可能な長さや髪質の人を見つけましょう。
その後、実際にそのヘアスタイルにすることを同意してもらう必要があります。
また、最低でも、5センチほどのカットを了承してくれる人にしましょう。

注意したいのは、カットモデルへの施術は経験の浅い美容師が練習として行うため、失敗してしまう可能性もあるということです。
カットが失敗してしまったり、イメージ通りの仕上がりにならなかったりして、カットモデルと美容師が揉めてしまうケースは少なくありません。
店を巻き込むようなトラブルに発展しないよう、あらかじめ失敗する可能性があることを伝え、カットモデルに納得してもらったうえで施術を行うことが重要です。

たとえば、「ブリーチはしない」、「髪を〇cm以上切らない」などのNG項目を事前に確認しておく、雑誌の写真などで仕上がりのイメージがぶれないようにしておくなどの対策が有効です。

料金に関しても、前もってカットモデルと認識をすり合わせておく必要があります。
施術をすべて無料にしている店もあれば、一部を割引料金にしている店や、カラー代やトリートメント代などを有料にしている店もあり、サロンによって料金設定はさまざまです。
依頼する段階で、料金についてカットモデルに説明しておきましょう。

ちなみに、美容師は練習させてもらう立場なので、無料もしくは安価で施術するのが一般的ですが、コンテストのための作品づくりや、店の宣伝のためにカットモデルを引き受けてもらい施術後に撮影した写真を使用する場合などには、逆に数千円程度の謝礼金を支払う場合もあります。

モデルハントの種類と成功させるポイント

カットモデルを探すモデルハントは主に、街中で声をかける方法と、SNSを活用する方法があります。

街中で声をかける方法は、ターゲットを目視できるため、髪の長さや髪質を実際に確認できるという利点があります。
しかし、街中での声かけは容易ではなく、素通りされてしまうことがほとんどです。
少しでも成功率を上げるためには、身なりを清潔にして、不審がられないようにすることが大切です。
できるだけ白いシャツなど清潔感のある服に着替え、笑顔で自然な声かけを行うことで、警戒心を持たれずに話を聞いてもらえるかもしれません。
店によってはモデルハントの人数にノルマを課しているところもあり、強引な手法で声かけを行う美容師もいますが、店の評判が落ちることにもなりかねないため、決して無理強いはしないようにしましょう。

相手が話を聞いてくれる状態になったら、まず自身の所属とカットモデルをお願いしたい旨を告げ、施術の種類や料金などの詳細を端的に伝えるようにしましょう。
このとき、店のチラシやショップカード、自身の名刺などを渡して、身分を証明しておくとスムーズに話を進めることができます。
相手がカットモデルを引き受けてくれるのであれば、日時や場所などの詳細を決めていきます。
連絡先の交換も忘れずに行なっておきましょう。

一方、SNSを活用したモデルハントは、自身のアカウントにカットモデルを募集していることを記載してモデルを募る方法と、逆にこちらからイメージに合う人のアカウントにDMなどでアプローチする方法があります。
自身のアカウントで募集する場合は、ハッシュタグなどを使うと効果的に募集が行えるでしょう。

また、友人や先輩から紹介してもらうなど、自身の交友関係から幅広く探す方法も有効です。

街中での声かけやSNSなどのほかに、近年は美容師とカットモデルをつなぐ専用のマッチングアプリを使用する方法もあります。
アプリによって機能はさまざまなので、用途に合わせたアプリを選びましょう。

カットモデルに施術を気に入ってもらうことができれば、そのまま店の顧客になってくれるかもしれません。
モデルハントの成功は店の集客にもつながるため、店のオーナーはできるだけ美容師をサポートするようにしましょう。


※本記事の記載内容は、2024年11月現在の法令・情報等に基づいています。