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クリニックでできる接遇トレーニング

14.03.09
業種別【医業】
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医療の接遇とはコミュニケーション力であり、
特に「受容・共感・傾聴」といった
「聴く」姿勢が大切です。

今回はそのトレーニング法について紹介します。

コミュニケーションは
「聴く」と「話す」から成り立っていますが、
実はこれらをバランスよく回すことが
苦手な人が結構います。
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選ばれるクリニックへのナビゲーション

日本では小さい頃から、
自分の意見を主張することも含め、
コミュニケーションの訓練がなされていませんし、
テレビの影響もあるように思います。

たとえば、最近多いテレビの芸人トーク番組。
多くの出演者の掛け合いのように見えますが、
出演者の頭の中はいつ自分が割って入るか、
どこでウケをとるか、
どうリアクションをするかでいっぱい。

いわば芸人がステージの上でやる
プレゼンテーションの集合体であり、
「話す」に大きく偏った
コミュニケーションなんですね。

そして、医療者に限らずですが、
学生時代の飲み会や部活動などの
集団行動の場でも、
これに近い状況が展開されています。

声の大きい人だけが話していて、
他の人はもっぱら聞き役として相槌を打つ。
そもそも「盛り上がり」が第一義なので、
オチのない自分の話を聞いてもらうことはありません。

以前ご紹介した近藤和子先生は
「今の若い医療職は、学生時代に友達に自分の話を
じっくりと聴いてもらう心地よさを体験していない」
と指摘しています。

そこで、近藤さんは接遇研修として、
「傾聴体験」を行っています。
自分が体験していないものをしろと言われても、
それは借り物に過ぎないからです。
少人数のグループをつくり、
1人が「自分はなぜこの仕事を選んだのか」を話し、
その他の人はじっくり集中して傾聴します。

親から受けた影響や、
自分自身の病気の体験など
各自のさまざまなヒストリーから、
やがて現在の自分の課題などに話は広がり、
同じ仕事を持っている者同士の共感が生まれ、
感動で涙を流すこともあるとか。

終了後の参加者からは異口同音に
「こんな体験をしたことは今までなかった」
という声が上がるそうです。

クリニックでもベテランスタッフも含めて
「傾聴体験」を行ってみてはいかがでしょう。
狙いはもちろん接遇の向上ですが、
ベテランと新人が深く知り合うきっかけになり、
風通しのよい組織作りにも役立つはずです。


次回の選ばれるクリニックへのナビゲーションは、
「急性期病棟ショックに備える」をお届けします。


[プロフィール]
中保 裕子(なかほ・ゆうこ)
医療ライターとして全国のがん医療、地域医療の現場を中心に医療者、患者、家族へのインタビューを行うほか、新聞広告等での疾患啓発広告制作、製薬企業等のマーケティング調査の実績も多い。有限会社ウエル・ビー 代表取締役。 
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