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拡大傾向にある『ホワイトニング』市場で集患を図るには

25.05.06
業種別【歯科医業】
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審美歯科のニーズがますます高まるなか、特に注目を集めている分野が「ホワイトニング」です。
ホワイトニングは歯を本来以上の白さにするための施術のことですが、近年では歯科クリニックに限らず、ホワイトニングサロンやセルフホワイトニング専門店も増加しており、市場での競争が激化しています。
こうした状況のなかで、歯科クリニックがホワイトニングに力を入れるのであれば、クリニックならではの強みを明確に打ち出すことが求められます。
今回は、歯科クリニックにおける『ホワイトニング戦略』について考えていきましょう。

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今注目のホワイトニング市場の現在地

外見への意識の高まりや、SNSの普及により、歯の美しさに対する関心が若い世代を中心に高まっています。
白い歯は清潔感や若々しさの象徴とされ、就職活動や結婚式などのイベント時だけではなく、日常的な美意識としてホワイトニングが求められています。

世間的な需要の高まりを背景に、近年はホワイトニングサロンやセルフホワイトニング専門店も増加しています。
これらの施設は、比較的安価で手軽にホワイトニングを受けられることを売りに、若い世代を中心に人気を集めています。
たとえば、全国展開するスマートジムの「chocoZAP(チョコザップ)」は、トレーニングジムでありながらも、「セルフホワイトニング」ができることで大きな話題となりました。

セルフホワイトニングは、患者が自分で行うケアのことで、歯科医師や歯科衛生士といった専門家が行うホワイトニングとは異なります。
歯科医師などの専門家が医療機関で行うホワイトニングのことを「オフィスホワイトニング」と呼び、歯科医師の処方のもと患者が自宅で行うホワイトニングのことを「ホームホワイトニング」と呼びます。

オフィスホワイトニングは、過酸化尿素や過酸化水素といったホワイトニング剤を使用して歯を漂白する施術のことで、歯科医師法によって、歯科医師や歯科衛生士以外が行うことはできません。
歯科医師の在籍していないホワイトニングサロンは医療機関ではなく、あくまでセルフホワイトニングのサービスを提供する施設ということになります。
セルフホワイトニングとオフィスホワイトニングは別物であることに注意が必要です。

ホワイトニングで患者から選ばれるためには

ホワイトニングサロンの増加によって、歯科クリニックであっても、ホワイトニングへの参入障壁が高くなっています。
では、歯科クリニックがホワイトニングで集患を図るには、どのようなアピールが有効なのでしょうか。

まず、歯科クリニックならではの安全性と効果を強調することが大切です。
歯科クリニックで行うオフィスホワイトニングは、歯科医師または歯科衛生士が患者の歯の状態をしっかりと確認したうえで実施するため、安全性が高く、効果も期待できるという点を打ち出していきましょう。
歯科医院で使用する薬剤は、安全性と効果が確認されたものに限られていることも、患者に安心材料となり、訴求ポイントになります。

さらに、複数の施術メニューを用意できるのも、歯科クリニックならではの強みです。
たとえば、短期間で効果を実感したい患者には、即効性が高く、1回の施術でも効果を実感しやすいオフィスホワイトニングをおすすめしましょう。
一方で、自分のペースでじっくりと歯を白くしたい患者には、自宅で行うホームホワイトニングを提案してみてください。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を組み合わせた「デュアルホワイトニング」も、より高い効果を求める層に人気があります。
さらに、セラミック治療や矯正治療など、ほかの審美歯科メニューも充実させることで、患者の多様なニーズに応えることができます。

そのほか、ホワイトニングの認知拡大や効果的な訴求にも力を入れましょう。
たとえば、ホワイトニングの症例写真や患者の声をホームページやSNSに掲載することで、患者が治療後のイメージを持ちやすくなります。
さらに、アフターケアを充実させることで、ホワイトニングの効果を長持ちさせ、患者の満足度をより高めることができます。

特にホワイトニング後の定期的なメンテナンスは、白さを長持ちさせるためには重要です。
ホワイトニングの効果は永久的ではないため、適切なケアをしないと徐々に色戻りしてしまうこともあります。
メンテナンスの重要性を説明し、定期的な来院を促すよう心掛けましょう。

ホワイトニングは審美歯科のなかでも特に注目を集めており、集患が期待できる分野です。
競争が激化するなかで、患者に選ばれるためには、ホワイトニングにおける歯科クリニックならではのセールスポイントを理解し、それを的確に伝えることが重要です。


※本記事の記載内容は、2025年5月現在の法令・情報等に基づいています。