さんだん會計事務所

アイディアは、つくるより選ぶのが難しい? アイディアの選び方 その1

15.03.15
ビジネス【マーケティング】
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新規事業のアイディアをどうするか?
新しいサービスのネーミングは何にすれば良いだろうか?
こんど作るチラシのアイディアはどんなものが良いのか?
Webサイトを作り変える時いったいどんなアイディアが良いのか?
10周年のマークとキーワードをつくりたいが、どうすれば良いか?
そういった課題がある時に、人はだいたい、どうやってアイディアを思いつくか?
出すか? つくるか? に、心を砕きます。
もちろん、それも大切なことですが、もうひとつの大切なことを忘れがちです。
それは、思いついたアイディアを「正しく選ぶ」ことです。
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僕は長い間、広告代理店で制作チームのリーダー役を務めていました。
その時の主な仕事のひとつが、「正しく選ぶ」ことだったのです。
代理店ビジネスの基本的なやり方は「たくさん考えて、なるべく正しく選ぶ」ということです。

コピーライターは100案考えるように求められ、デザイナーは何十案もアイディアを出してきます。
チームリーダーである僕は、それを「正しく」選ぶ技を磨いてきました。
たとえアイディアが100案あろうが1000案あろうが、極端な話100万個あろうが、実行できる企画は、基本1つだけなのですから。

アイディアを決める段階での単純な多数決も、おすすめできません。
アイディアは企画の素であり、まだそこに実際の商品やチラシやマークが、現実にあるような在り方で存在するわけではありません。
その状態で、まだ原石であるアイディアを正しく選ぶには、それなりの技術が必要です。
そんな段階での多数決は、正解を導きません。

また、アイディアを決める時は、ひとりで決めるとは限りません。
自分ひとりだって迷うのに、5人で話し合っていてそれぞれ押す案が異なれば、決めるのは容易ではありません。
「あーでもない、こーでもない」とものすごく時間がかかった挙句、最後はとりあえず多数決で! ということにもなりかねません。
でも、やり方を知ってさえいれば、短時間で、後々「あれに決めて良かった!」と思えるアイディアが選べるようになります。

アイディアを選ぶためのテクニックを僕は8つにまとめています。

1.そのアイディアの根本は何かを、言葉にしてみる。
2.そのアイディアの良いところは何かを、言葉にしてみる。
3.そのアイディアのダメなところは何かを、言葉にしてみる。
4.外資企業のPros&Consという考え方。ポジとネガ。
5.戦略コンサルのMECE(ミッシー)も、ゆる~く参考に。
6.まず、理屈で分けて、理屈で絞る。数案に。
7.そして、最後は、感覚で。感覚の中には、言語化しきれない理由が含まれている。
8.アイディア開発の全体像は、理屈で下地→感覚でジャンプ→理屈で選択→感覚で決定!
の8つです。

次回から、この8つのテクニックについて、ご紹介していきたいと思います。
ひとりで決める時の自問自答に、メンバーで議論して決める時の参考に、ぜひご活用ください。


佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法


[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。

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