近籐智也のお悩み相談室

【ご相談内容】

今回のご相談は、リスケジュール中において、新型コロナウイルスの影響で大幅に売り上げが減少した企業様です。

リスケジュール（条件変更）とは、当初の返済計画を変更した場合の状況であり、元本返済を止めたという状況だけに限りません。
注意すべきは、返済しているが当初の返済計画とは異なった方法で行っている場合は、リスケの状況にあるということです。
今回の相談者は、元本の返済を2年ほどしていない企業であり、現在残っている借入金は信用保証協会付きの銀行からの借入と日本政策金融公庫からの借入でした。

【回答】

原則的に元本の返済がないリスケの状況において、追加融資を行うことはできないと理解したほうがいいでしょう。
また業績が回復傾向にあり、元本の返済を開始した際、場合によっては追加融資が可能ですが、原則としてすべての借入について返済の開始が必要になります。
今回も原則的にはそのような状況にあるのですが、いわゆるコロナ融資（公庫）においては、コロナの影響で企業の存続に関わる事態に対し、積極的に資金を貸し出す姿勢にあります。
さらには、いわゆるコロナ融資（公庫）は元本返済の据え置き期間を設定することもでき、加えて既存の借入についても当該制度に借換が可能なため、実質的に元本返済がゼロの状況を維持したまま追加融資が可能ということになります。
これらを踏まえ、コロナ前と後とを説明上きちんと分けて整理し、コロナ前は経営改善が進んでいる、コロナ後は状況が厳しい、と数字で示すことで当該相談者を含めた多くの方が、追加融資の確保に成功しています。