さんだん會計事務所

近籐智也のお悩み相談室

19.04.08
事務所通信
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借換による事業再生(リスケ、担保、引当金、サービサー)

【ご相談内容】

今回の案件は数年前の案件です。
ご相談者は、金融機関の負債を多く抱えており、借り換えを視野にキャッシュフローの改善を図ろうとしている企業です。。

現状は以下の通りです。
○リスケをしており、高金利ながらも元金返済を少額にしている。
○金融機関に不動産のすべてを担保として差し入れている。
○今回借換に応じている予定の金融機関では、全額借換を視野に入れているものの、現在借り入れている金額(残債)の80%ほどしか融資ができない(担保評価)。
○借換の条件は全ての差入不動産に第一順位で担保権を設定すること。
○借換による返済額は金利の低下、償還期間の伸長により実質的にはキャッシュフローは改善する計画。
このままでは、現金融機関は事業の回復の見込みに期待ができない場合、借り換えによる離脱は望むところですが、全額回収できない以上応じることはありません。
また少しでも残債が残り、第1順位で担保権を設定できない以上、借換予定の金融機関も手が出ません。

【対応】

ここでポイントとなるのが貸倒引当金です。
金融機関はリスケが始まると回収可能性を鑑みて引当金を計上し、簡単に言えば貸出債権を減額して把握します。
つまり10億貸したが8億しか回収できないと見込んでいるといった具合です。
その金額に応じて交渉すれば、場合によっては現金融機関も応じてくれることもあります。
当時は債権がサービサーに流れた後の交渉でしたが、そういったタイミングで対応することが多いでしょう。



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