さんだん會計事務所

金融機関の金利動向について、解説します

24.12.04
事務所通信
dummy

日本銀行は令和6年3月にマイナス金利を解除することを発表し、令和6年7月の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%に引き上げる追加利上げを決定しました。
その結果、大半の金融機関は令和6年9月以降、融資の金利を決定する指標である「短期プライムレート」の引き上げを、実に17年半ぶりに実施するなど、影響が出ています。
そこで今回は、今後の金融機関の金利動向について解説します。

 

【短期プライムレートとは】

短期プライムレートとは、金融機関が信用力の高い融資先へ貸付するときの最優遇貸出金利(期間1年未満)のことを指します。
短期プライムレートは企業の借入だけでなく、住宅ローンなど様々な借入の指標として採用されています。
短期プライムレートは一律ではなく、各金融機関が自行の預金利率や資金調達時のレート、市場のリスクなどを踏まえて決定しています。


【短期プライムレート引上げによる影響】

令和6年9月2日以降行われている主要行の短期プライムレート引上げは、平成19年3月以来、およそ17年半ぶりです。
日本銀行が政策金利の利率を0.10%程度から0.25%程度へと変更したことにより、大半の金融機関が短期プライムレートを0.15%引き上げました。
これにより、一部の変動金利型融資においては利率の引き上げが行われており、新規で受ける融資においても従来より高い金利での条件提示が行われています。
短期プライムレートの引き上げは支払利息の増加に繋がることから、企業の設備投資や個人の住宅取得といった動きが鈍化する可能性があります。
この金利引き上げの動きは、今後段階的ではありますが継続していくと思われます。
融資利率の上昇は支払利息の増加に繋がるため、必要に応じて金利上昇リスクに対策しておくことがおすすめです。

【金利上昇リスクへの対策例】
①借入金を削減する
使途が決まっていない借入金(過剰な借入金)を返済することで、支払利息の総額を削減することができます。
②金融機関と交渉する
借入利率は交渉によって変わることがあるため、無理のない範囲で金融機関と交渉することも一考です。
それでも提示される利率が想定よりも高い場合は、他の金融機関へ相談することも選択肢の一つです。
③固定利率へ切り替える
現在の借入が変動金利の場合、固定金利への変更、もしくは固定金利の融資への借換が考えられます。
固定金利は変動金利よりも高いことが一般的であるため、変更することで一時的に支払利息が増加する可能性はあります。
ただし長期の融資を受ける場合は、借入時に定めた金利が固定・継続されるため、長期的には支払利息の総額を抑えられる可能性があります。


以上、金融機関の金利動向について解説しました。
もし、金利上昇リスクに備え取引金融機関への相談を考えているものの、金融機関へどのように相談すればよいかわからない、もしくは担当者と条件交渉ができるか不安といった方がいらっしゃいましたら、さんだんグループにご相談ください。

さんだんグループでは、審査に必要な資料作成から、金融機関との条件交渉、必要に応じて面接の同席まで、一貫したサポートを行っております。
当メールマガジンをご覧いただいた方であればどなたでもご相談いただけますので、ぜひお気軽にご連絡ください。


さんだんコンサルティング株式会社
経営支援グループ

日本銀行ホームページ:
https://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/prime/prime.htm