さんだん會計事務所

経営者保証改革プログラムについて解説します

24.10.16
事務所通信
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経営者保証とは、企業が金融機関などから融資を受ける際に、経営者が会社の連帯保証人となることを指します。
経営者保証には、企業の信用補完として、より多額かつ好条件の融資が受けられる点がメリットといわれています。
しかしその一方で、経営者が大きなリスクを負うことから、スタートアップや思い切った事業展開を躊躇させたり、円滑な事業承継を阻害させるなど様々な課題があるとかねてより指摘されてきました。

そのため、政府は平成26年2月より、経営者保証を提供することなく資金調達を受ける場合の要件等を定めた「経営者保証に関するガイドライン」の運用を開始し、金融機関に活用を促してきました。
しかしながら、未だ経営者保証に依存しない融資が浸透しているとは言い難い状況であることから、政府はこのような状況を打開するため、令和4年12月に「経営者保証改革プログラム」を公表しました。
経営者保証に依存しない融資慣行の確立を更に加速させるべく多くの施策が策定されましたが、その中でも特に重要な施策は以下の事項です。

「金融機関が経営者等と個人保証契約を締結する場合には、保証契約の必要性等に関し、事業者・保証人に対して個別具体的に以下の説明をすることを求めるとともに、その結果等を記録することを求める。また、その結果等を記録した件数を金融庁に報告することを求める。」


これにより、今後金融機関が経営者保証を徴求ためには、保証人徴求に至った理由をしっかりと経営者に説明し、その記録を当局に報告することを求められることになりました。
これまでのように、ただ融資慣習だからといった流れで経営者保証を徴求されることはまずなくなると思われます。
ただし、金融庁もすべての融資に対して保証人を取るなと言っているわけではなく、以下の通り一定の基準を設けている点には注意が必要です。

・債務超過ではないか
・公私混同がされていないか
・財務状態を適時・的確に開示しているか

上記からすると、会社が債務超過であったり、会社から個人に対して多額の貸付金が計上されているような状態だと、今後も連帯保証人を徴求される可能性が高いです。
逆にいえば、上記の要件がきちんとクリアできているのであれば、金融機関は保証解除に応じるべきであり、経営者側も保証解除を積極的に要求できるということになります。
もし、今後思い切った投資や将来の事業承継の準備をしているため経営者保証の解除を希望されている場合や、現在経営者保証付きの融資を受けているが保証人を徴求されている理由がよくわからないといった場合には、一度金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。
 
また、ご自身で経営者保証に関する相談を金融機関するのは不安・心配という事業者様がいらっしゃいましたら、是非さんだんグループにご相談ください。
さんだんグループでは、審査に必要な資料作成から、今回解説した経営者保証を含む金融機関との条件交渉、必要に応じて面接の同席まで、一貫したサポートを行っております。
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