税理士法人大沢会計事務所

賃上げをすると会社の税金の控除が受けられる制度

16.12.21
税務・経営お役立ち情報
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従業員の給料を増加させると会社の税金の控除が受けられる制度「所得拡大促進税制」が平成25年度の税制改正で導入されていますが、皆様の会社はこの制度をもれなく利用していますでしょうか?


この制度は、平成25年4月1日~平成30年3月31日までの間に開始する事業年度だけ利用できる制度で、3月決算では適用期限まで平成29年3月期と平成30年3月期の2回チャンスがあります。


今月の8日に発表された平成29年度税制改正大綱では、適用される最後の年度(3月決算では平成29年4月1日~平成30年3月31日の事業年度)に税額控除の上乗せ措置が予定されています。
1.現行制度の概要
従業員の給与を増加した場合、基準年度からの増加額の10%が法人税から差し引けます。
基準年度は平成25年4月1日~平成26年3月31日までに開始する事業年度の1期前の事業年度です。3月決算の場合は平成25年3月期です。


2.中小企業の適用要件
①適用年度の給与等支給額の総額が基準年度(3月決算の場合は平成25年3月期)と比較し、適用1、2年目は2%、適用3年目以降は3%以上増加していること
②給与等支給額が前事業年度の支給額以上であること
③継続雇用者に対する平均給与等支給額が前事業年度から増加していること


3.改正の概要
適用年度の最後の事業年度(3月決算では平成30年3月期)に給与等支給額が前事業年度(3月決算では平成29年3月期)比2%以上増加していると、従来の控除額に更にプラスして、前事業年度からの増加額の12%の控除額が上乗せされます。


現行制度でも、利益を上げ従業員の給料、ボーナスを増やしている会社にとっては非常に利用価値のある制度です。
法人税が発生しない会社はそもそも差し引く金額がないので影響はありませんが、法人税を納税している会社は適用漏れがないようご検討下さい。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
http://www.osawakaikei.jp/