税理士法人大沢会計事務所

タワーマンション節税ができなくなる?

16.11.02
税務・経営お役立ち情報
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先日、タワーマンションを使った相続税の節税が抑えられる改正が政府で検討されているという新聞報道がありました。
https://goo.gl/qNKr1q


そもそも、タワーマンション節税とはいったいどのようなものでしょうか?
相続税では、お亡くなりになっていた方が所有していた財産を一定のルール(財産評価基本通達)に従って評価をします。

現金、預金はそのままの金額ですが、不動産については土地は路線価方式と倍率方式で評価をします。また、建物については固定資産税評価額をそのまま相続税評価額として計算します。

不動産については、すぐに現金化することが難しい資産であるため、通常、実際に売買される価額(いわゆる時価)よりも評価額が低くなるように路線価等は設定されています。

タワーマンション以外の不動産についても実際の取引価額よりも相続税の評価額は低くなるのが一般的ですが、タワーマンションについては、高層階の物件ほど実際の取引価額と乖離が大きくなると言われています。

タワーマンションの評価については、土地が多くの区分所有者で共有となるため、都心の一等地であっても評価額に占める割合が土地よりも建物のほうが多くなります。
建物については固定資産税評価額なのですが、固定資産税評価額は1棟の評価額を部屋ごとの床面積で割って計算しているため、1階でも最上階でも床面積が同じなら同じ評価額となります。

しかし実際の取引価額は同じ面積でも眺望がよい上の階ほど価格は高くなり、かつ、そもそも物件自体の価格も高額なため、高層階の物件では実際の取引価額と相続税の評価額でかなり大きな差額が生じます。
この差額に注目し、現預金をタワーマンションに変えて相続税を少なくしようというのがタワーマンション節税です。

この固定資産税評価額について上層階の評価を引き上げ、低層階の評価を引き下げるような改正が検討されているようです。
但し、2018年以降に引き渡される新築物件に限定されるようなので、それまでに駆け込みで購入しようとする動きがあるかもしれません。

公認会計士・税理士 大沢日出夫