税理士法人大沢会計事務所

社員がすぐ辞めるのを採用のせいにしないでください

16.06.01
人事・労務お役立ち情報
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「社員にすぐに退職されてしまって困っている。長い間働いてくれる人、辞めない人を採用したい」
 
こんな相談を経営者や採用担当者の方からよくうかがいます。
 
 
社員の定着率が悪いと、どんなデメリットが生じるか、についてはご承知のとおりです。
退職した人間に支払った給与だけではなく、採用や入社手続きに費やした経費、採用活動や辞めた社員の教育に関わった人員の人件費などの目に見える損失。

さらには「先輩社員のモチベーションの低下」という挽回することがむずかしい、目に見えない損失も生じてしまいます。

経営者や採用担当者の方々が「すぐに辞めてしまう人」を採用したくない、と考えるのは当然のことです。


しかし、あなたの会社で新しく入社した社員がすぐに退職してしまった時、その原因を「すぐに辞めるような社員を採用してしまったから」だ、と考えるのは大きな間違いです。

社員の定着率が悪いのは決して「すぐに辞める社員を採用面接で見抜けなかったから」ではありません。


定着率が悪い原因は、多くの場合、以下の4つのうちのいずれかに該当します。

①求人募集時の情報と実際の労働環境にギャップがあった。
②労働条件への不満、不安
③職場の人間関係の問題
④「会社に大事にしてもらえていない」と社員が感じている。

この4つの原因のうち、採用活動の見直しで防ぐことができるのは、①の「求人募集時の情報と実際の労働環境のギャップ」をなくすことだけです。


社員の定着率の悪さを採用だけで解決できるとは思わないでください。

「ここで働こう、この会社でがんばろう!」と思えるような社内環境づくりが、採用で失敗しないための、社員を定着させるための、第一歩なのです。

社会保険労務士 大沢富士夫