税理士法人大沢会計事務所

業種別設備投資減税のポイント

15.05.07
税務・経営お役立ち情報
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最近、お客様の設備投資についてのご相談が増えてきました。
アベノミクスの効果でしょうか。


中小企業(資本金1億円以下の会社)には、大企業にはない設備投資の減税制度(中小企業投資促進税制)がありますが、適用されていない会社も多いようです。
他の税理士事務所から当事務所に変えられたお客様の過去の申告書には、残念なことにほぼ例外なく活用がないか、税額控除のほうが有利なのに特別償却を選択されています。


業種ごとに適用のポイントをご説明致します。
せっかく政府が中小企業の活性化を目的に特別な法律(租税特別措置法)を作ってできた制度です。漏れなく適用しましょう。
特に証明書等を取得する必要は無く、取得事業年度に申告をするだけで適用となります。
要件をきちんと満たした資産で申告書の記載をすれば、税務調査で指摘されることは一切ありません。


中小企業の皆様に、もっと税制で活用できるものがあるものを知っていただきたいのです。

特例制度についてご質問があれば、いつでも弊事務所にお問い合わせください。
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①製造業
製造業で最も適用する場面が多いのは、工場の機械装置を取得した場合です。

1台(1式)160万円以上の新品の機械を購入し、使用した場合、購入金額の7%が直接法人税額から差し引けます(資本金3000万円以下の会社)。1000万円の機械を導入したら、70万円減税になります。もちろん、通常の減価償却費も計上できます。通常の減価償却費を経費に計上して税金を計算したところから、更に購入金額の7%が税金から差し引けるのです。
また、ファイナンスリース契約で使用しているものも減税の対象となります(リース契約総額が160万円以上)。

資本金3000万円超の会社は7%の税額控除は適用できませんが、特別償却が適用できます(この場合はファイナンスリースのものは対象外となります)。取得価額の30%が特別償却として通常の減価償却費に上乗せできます。業種によっては通常の減価償却費と合わせて初年度に50%以上償却できることになります。


②建設業
建設業で最も適用する場面が多いのは、重機・建設機械やトラックを購入した場合です。

重機・建設機械(パワーショベルやブルドーザー等)は、税務上は機械装置に区分されます。1台160万円以上の新品の重機・建設機械を購入(あるいは、ファイナンスリース契約を締結)し、使用すると購入金額の7%が直接法人税から差し引けます。
また、条件を満たすトラックを購入(あるいは、ファイナンスリース契約を締結)した場合も適用の対象となります。

このトラックとは、普通自動車で、車両総重量が3.5トン以上のものです。車検証で確認します。トラックについてはいくら以上という金額基準がありません。


購入、使用した事業年度で特例を適用する事項を記載した申告書を作成しなければ、過去に翻って税金を取り戻すことはできません。設備投資をした事業年度は減税対象の資産がないか、チェックをしましょう。
当事務所では適用漏れがないよう、全てのお客様の申告書作成時にチェックリストを使用して判定しています。


次回は卸売業、小売業、サービス業、運送業の適用のポイントについてご説明したいと思います。