税理士法人大沢会計事務所

機械やトラックを買うと会社の税金が減らせる制度④

15.01.22
税務・経営お役立ち情報
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機械やトラックを購入すると会社の税金を減らせることができる中小企業投資促進税制について、前回まで制度の概要、対象となる資産の判定方法、アベノミクスで導入された上乗せ措置についてご説明しました。


今回は、制度で認められている特別償却(減価償却費を上乗せする方法)と税額控除(法人税から税金を直接差し引く方法)のどちらを選択するべきかについてご説明したいと思います。

(中小企業投資促進税制の概要)
この制度の対象となる資産を取得・製作し、事業に使用すると取得価額の30%を特別償却として通常の減価償却費に上乗せすることができます(一定の要件を満たす機械装置等は取得価額の全額を償却できます)。
もしくは、取得価額の7%(一定の要件を満たす機械装置等は10%)を法人税額から控除できます(税額控除の制度は資本金3千万円以下の会社のみ適用できます)。
まず、資本金3000万円超の会社については原則特別償却しか選択できません(工業会等の業界団体が証明書を発行した最新機械など、アベノミクスで導入された上乗せ措置の対象となるものは税額控除ができます)。


資本金3000万円以下の会社の場合、一つの一つの資産について特別償却か税額控除のいずれかを選択することになりますが、結論から申し上げますと、毎期毎期、安定的に課税所得を計上しているような会社は長期間を通して考えると一般的に税額控除のほうが有利であると考えられます。


特別償却で計上した償却費はこの制度を適用しなかった場合でも、翌事業年度以降、通常の減価償却費の計算で耐用年数が終了するまでにいずれは計上されるものです。
将来の減価償却費を前倒しで計上して取得事業年度の税金を減らしているだけで、耐用年数の期間全体で考えれば計上のタイミングが異なるだけです。


一方、税額控除は税金そのものから差し引ける制度で、差し引いた税金を後で多く納税するということはありません。
長期間を通して考えると税額控除のほうが有利な場合が多いと考えられます。
但し、課税所得の発生が安定的に見込めず、まずは取得事業年度の税金のキャッシュアウトをできる限り抑えたいということであれば、特別償却の選択も妥当な場合があります。


どちらを選択するか、翌事業年度以降のことも考慮して選択する必要があります。