税理士法人大沢会計事務所

中小企業が計上できる貸倒引当金

22.07.21
税務・経営お役立ち情報
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法人税では、中小法人のみに認められている税金の特例があります。

法定繰入率による貸倒引当金の計上も中小法人のみに認められている特例です。

貸倒引当金は将来発生する可能性のある貸倒損失に備えるための引当金ですが、過去に貸倒れの実績がなくとも中小法人については貸倒引当金の繰入額の損金算入が可能ですので、課税所得が発生している法人については貸倒引当金の計上もれがないか決算時に確認を行いましょう。
中小法人(資本金1億円以下の株式会社等が該当します。なお、大法人の子会社や過去3事業年度の所得の平均が15億円を超える法人等は適用除外となります。)については、下記の算式による繰入限度額まで貸倒引当金の計上が税務上可能となっています。

繰入限度額=(期末一括評価金銭債権の帳簿価額-実質的に債権とみられない金額)×法定繰入率

法定繰入率は以下のように業種ごとに決められています。
・卸売業及び小売業 10/1,000
・製造業 8/1,000
・金融業及び保険業 3/1,000
・割賦販売小売業等 7/1,000(令和3年4月1日前開始事業年度については13/1,000)
・その他 6/1,000

例えば、卸売業で期末に1,000万円の売掛金があり、売掛金がある得意先に対して買掛金や未払金等の債務(実質的に債権とみられらない金額)が無い場合は、
1,000万円×10/1,000=10万円の貸倒引当金の計上が可能です。
公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/