税理士法人大沢会計事務所

贈与税の二つの制度について

21.03.18
税務・経営お役立ち情報
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贈与税には暦年課税制度(基礎控除額110万円)と相続時精算課税制度の二つの制度があります。

相続時精算課税制度は、贈与を受けた財産の価額から特別控除額(2500万円)を差し引いた後の金額に税率をかけて贈与税を計算する制度です。従って、贈与財産の額が110万円を超えても特別控除額以下の金額であれば、贈与税額はゼロとなりますが、この制度の利用にあたっては慎重な検討が必要です。
相続時精算課税制度は、財産の贈与を受けたときに特別控除額を差し引いた後の金額に20%を乗じて贈与税を計算し、贈与者が死亡した際には相続時精算課税制度で贈与した財産と相続財産を合計して相続税を計算し、計算した相続税から贈与税を差し引いて精算するという制度です。

①利用者の条件
贈与者は60歳以上の父母・祖父母、受贈者は20歳以上の子・孫
この制度を利用するためには、一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。

②贈与税の計算
贈与財産の価額-特別控除額(2500万円※)=課税価格
課税価格×20%=贈与税額
※前年までに利用した特別控除額を差し引きます。複数年にわたって累計で2500万円利用できます。

③注意点
相続時精算課税制度の利用回数に制限はありませんが、一度この制度を選択するとその後同じ贈与者からの贈与について暦年課税制度へ変更して110万円の基礎控除を受けることはできなくなります。
最終的に相続税が課税される際に精算されますので、この制度を利用すると必ず税額が少なくなるとは限りません。この制度を選択せず、暦年課税制度のままのほうが結果的に有利となる可能性もありますので利用にあたっては慎重な検討が必要です。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/