税理士法人大沢会計事務所

働き方改革の対応をチェックしましょう

21.01.07
人事・労務お役立ち情報
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日本商工会議所から、2019年4月から順次施行されている働き方改革関連法について、中小企業の働き方改革の対応状況を確認するためのツールとして、「中小企業のための働き方改革⑩のチェックシート」が公表されています。10個の項目を確認していきましょう。
「時間外労働の上限規制」
※大企業は 2019.4~ 中小企業は 2020.4~ 施行済み

①時間外労働や休日労働が発生しているが、労使協定は結んでいない。
→従業員に時間外労働や休日労働をさせるためには、労使で協定(36協定)を締結する必要があります。
※36協定を締結した場合でも、時間外労働の上限は原則月45時間、年間360時間以内です。これを超えて時間外労働を命じる場合は特別条項を定める必要があります。

②時間外労働が、月45時間・年間360時間を超える従業員がいる。
→36協定で特別条項を定めたうえでも、時間外労働と休日労働の合計については、単月100時間未満、複数月平均80時間以下としなければなりません。

③従業員の出退勤や時間外労働の状況をまとめた書類やデータが整備されていない。
→従業員の出退勤や時間外労働の状況について記録した書類もしくはデータを備えつけることが義務化されています。

④管理職については出退勤の時間を管理していない。
→管理職についても健康管理の観点から勤務時間の管理が必要です。


「年次有給休暇の取得義務化」
※大企業・中小企業ともに2019.4~ 施行済み

⑤年次有給休暇の取得が年間5日に満たない従業員がいる。
⑥パートやアルバイトには年次有給休暇を付与していない。
→パート・アルバイト、管理職も含めて年10日以上の年次有給休暇が付与されている従業員に対しては、年に5日間は取得させなければなりません。

⑦従業員の年次有給休暇の取得状況をまとめた書類やデータが整備されていない。
→従業員の年次有給休暇の取得状況をまとめた書類やデータを整備することが義務化されています。


「同一労働同一賃金」
※大企業は 2020.4~ 施行済み 中小企業は 2021.4~ 施行予定

⑧正社員と同じ業務に従事している非正規労働者(パート・アルバイト等)がいる。
→同一企業内の正社員と非正規労働者の間の不合理な待遇差が禁止されます。
  業務の内容や責任の程度等が同じ場合は、同じ待遇(均等待遇)、違う場合は違いに応じた待遇(均衡待遇)が求められます。

⑨正社員には支給しているが、非正規社員には支給していない手当がある。
⑩非正規社員には賞与・退職金を支給していない。
→各種手当や賞与・退職金の趣旨・性格等を踏まえて個別に検討する必要があります。


いかがでしたか。働き方改革関連法で定められた項目を順守することは、企業にとって避けられない課題であるとともに、働き方改革への対応の有無が採用や社員の定着にも大きく影響してきています。今回のチェック項目を参考に社内の環境整備をスムーズに進めてください。

チェックシートはこちらからダウンロードできます。
日本商工会議所「中小企業のための働き方改革⑩のチェックシート」
https://www.jcci.or.jp/20201111_checksheetjcci.pdf
社会保険労務士  大沢 富士夫