税理士法人大沢会計事務所

教育資金の贈与税非課税措置の改正

20.12.17
税務・経営お役立ち情報
dummy
今月12月10日付で令和3年度の与党税制改正大綱が公表されました。

贈与税の特例制度としての教育資金の一括贈与の非課税措置が改正され、2年延長されることとなります。
1.現行制度である教育資金の一括贈与の非課税措置の概要
平成25年4月1日から令和3年3月31日までの間に、30歳未満の子や孫(前年の合計所得金額が1000万円以下の者)が、父母・祖父母から教育資金の贈与を受けた場合に1500万円(学校等以外に支払う金銭については500万円が限度)まで非課税となります。この制度を利用するためには、信託銀行等の取扱金融機関で一定の書類を提出し口座を開設する必要があります。

贈与を受けた子や孫が30歳(在学中など一定の条件を満たした場合は最長40歳まで)に達したときに教育資金として使用しなかった残額がある場合には、その残額に対して贈与税が課税されます。
また、平成31年4月1日以後にこの制度を利用して贈与した金額がある場合で贈与者の死亡日において以下の条件を一つも満たさない場合は、贈与者死亡前3年以内の贈与に係る残額について相続税の課税対象となります。
①受贈者が23歳未満
②受贈者が学校等に在籍している
③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている

2.改正の内容
改正前は、贈与者死亡時に教育資金として使用しなかった残額がある場合、贈与者死亡前3年以内の贈与に係る残額についてのみ相続税の課税対象となることとされていましたが、今回の改正により、全ての贈与にかかわる残額が相続税の課税対象となります。
ただし、受贈者が上記①、②、③の条件を一つでも満たしていれば対象外となります。
また、受贈者が孫やひ孫だった場合で使用しなかった残額について相続税が課税される場合は2割加算の対象とすることになりました。
上記改正は、令和3年4月1日以後の贈与により取得する金銭等について適用され、制度全体としては令和5年3月31日まで2年間延長されました。

3.注意点
令和3年3月31日までは改正前の制度が利用できます。これからこの制度の利用を予定されている方は適用時期に注意が必要です。書類作成や手続の受付期間等もありますのでこの制度を利用できる金融機関に早めにご相談されることをおすすめします。
公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/