税理士法人大沢会計事務所

新たなコロナ対策融資制度・資本性劣後ローンとは?

20.08.05
税務・経営お役立ち情報
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今月から新型コロナ対策資本性劣後ローンという新たな融資制度が日本政策金融公庫で開始されます。

「資本性劣後ローン」という言葉をはじめて聞く方もいらっしゃると思いますので、そもそも資本性劣後ローンとはどういうものかということも含めてお伝えいたします。
1.資本性劣後ローンとは?
資本性劣後ローンとは、他の債権より返済の順位が劣る(劣後する)借入のことをいいます。法的倒産時に償還順位が他の債務に劣後するため、金融機関の資産査定上、自己資本とみなすことができます。借入金でも資本金に近い性質をもっているので「資本性」という言葉が用いられます。一方、貸す側にとっては通常の貸付金よりもリスクがありますので、金利が通常の貸付金よりも高くなります。

2.日本政策金融公庫(国民生活事業)における新型コロナ対策資本性劣後ローンの概要
(1)融資対象者
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた法人又は個人事業者で以下のいずれかに該当する方が対象です。
1.原則として認定支援機関の指導を受けて事業計画を策定し、かつ民間金融機関等の協調融資により事業の発展又は継続を図る方
2.J-Startupプログラムに選定された企業又は中小企業基盤整備機構が出資する投資ファンドから出資を受けた方
3.中小企業再生支援協議会の支援を受けて事業の再生を図る方

(2)融資額
7,200万円以内

(3)返済期間
5年1ヶ月、10年、20年のいずれか

(4)返済方法
期限一括弁済(利息は毎月払)

(5)利率
1.05%~4.8%(決算の業績と借入期間によって異なります)

(6)担保・保証人
無担保、無保証

3.制度利用のポイント
通常の長期借入金と異なり、期限一括弁済のため、融資期間中は当初の調達資金を全て活用できることとなります。また、融資された会社を他の金融機関が審査、評価する場合、この借入金については自己資本とみなされるため、財務の評価が向上する影響があると考えられます。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/