税理士法人大沢会計事務所

前期黒字で今期赤字の場合に税金を還付できる制度

20.03.30
税務・経営お役立ち情報
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コロナウイルスの影響で売上が減少している会社が増えているのではないかと思います。

前期は黒字で法人税を納付したが、今期は赤字となってしまった場合、前期納付した法人税の還付を請求できる制度があります。

「欠損金の繰戻しによる還付」という制度です。

1.「欠損金の繰戻しによる還付」制度の概要
この制度は、青色申告書である確定申告書を提出する事業年度(欠損事業年度)に欠損金額が生じた場合、その欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度(還付所得事業年度)に繰り戻して法人税の還付を請求できる制度です。


2.還付金額の計算
還付金額は以下のとおりとなります。

還付金額=
還付所得事業年度の法人税額×(欠損事業年度の欠損金額※)/(還付所得事業年度の所得金額)
※法人が還付金額の計算の基礎として還付請求書に記載した金額が限度となります。また、分母の金額が限度となります。

3.適用要件
①還付所得事業年度から欠損事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出していること。
②欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限までに提出していること
③上記②の確定申告書と同時に欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出すること

なお、現在この制度は中小企業者等のみに認められている制度で、資本金1億円超の会社やその子会社等は適用できない制度となっていますが、適用対象となる会社を増やすため、資本金10億円以下の会社にも適用可能となる改正を政府・与党が検討していることが報道されています。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/