税理士法人大沢会計事務所

高年齢者が働きやすい環境の整備で、最大75%の費用を助成!

19.10.08
ビジネス【助成金】
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内閣府の『令和元年版高齢社会白書』によると、2018年の60~64歳の就業率は10年前の2008 年と比較して11.6ポイント伸びており、現在仕事をしている60歳以上の方の約4割が『働けるうちはいつまでも』働きたいと回答していることがわかりました。
高年齢者の雇用を増やし、長く活躍してもらうための環境整備が急務となりますが、一口に高年齢者といっても、体力や能力には個人差が大きく、就業に求められるものもさまざま。
多様な働き方を選択できる職場づくりをしていくことが重要となります。
そこで今回は、高年齢者向けの社内制度の整備を考えている企業が活用できる助成金をご紹介します。
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『65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)』

『65歳超雇用推進助成金』は、高年齢者が意欲と能力のある限り年齢に関わりなく働くことができる“生涯現役社会”の実現に向け、高年齢者の雇用促進を図ることを目的とした助成金です。
3つのコースがあるなか、今回は、高年齢者の雇用の促進を図るための雇用管理制度の整備(賃金・人事処遇制度、労働時間、健康管理制度等)に係る措置を実施した事業主に対して助成する『高年齢者評価制度等雇用管理改善コース』を取りあげます。

【主な受給要件】
55歳以上の高年齢者を対象とした次の(1)~(7)のいずれかの措置を労働協約または就業規則に定めて実施した場合に受給することができます。

(1)高年齢者の職業能力を評価する仕組みを活用した賃金・人事処遇制度の導入または改善
(2)短時間勤務制度、隔日勤務制度など、希望に応じた労働時間制度の導入または改善
(3)高年齢者の負担を軽減するための在宅勤務制度の導入または改善
(4)高年齢者が意欲と能力を発揮して働けるために必要な研修制度の導入または改善
(5)高年齢者向けの専門職制度の導入等、高年齢者に適切な役割を付与する制度の導入または改善
(6)高年齢者に対して、医師または歯科医師による健康診断制度(法定外)を導入
(7)上記(1)~(6)のほか、高年齢者の雇用の機会の増大のために必要な高年齢者の雇用管理制度の導入または改善

【支給額】
上記(1)~(7)の措置に要した支給対象経費に60%(中小企業事業主以外は45%)を乗じて得た額が支給されます。
さらに、生産性要件を満たしている場合は75%(中小企業事業主以外は60%)となります。
※いずれも1,000円未満は切り捨て。

【支給対象となる経費】
(1)高年齢者の雇用管理制度の導入または改善に必要な専門家等に対する委託費
(2)社会保険労務士等のコンサルタントとの相談に要した経費等
※初回に限り30万円とみなします。2回目以降の申請は30万円を上限とします。
※申請事業主とその配偶者、親族、従業員等との間の取引に要した経費は支給対象外となります。

【申請フロー】
申請は、以下のような流れで行います。

(1)『雇用管理整備計画書』を作成し、提出
提出期間は、計画の実施期間の開始日から起算して6カ月前の日から、3カ月前の日となります。
(2)認定された計画に基づき、雇用管理制度の導入または改善を実施
実施した措置の対象者で、かつ計画終了の翌日から6カ月以上継続して雇用されている方が1人以上いることが支給の要件となります。
(3)『65歳超雇用推進助成金支給申請書』を作成し、提出
提出期間は、雇用管理整備計画の実施期間の終了日の翌日から起算して6カ月後の日の翌日から、その2カ月後の日までの間となります。

制度の整備・改善によって高年齢者が働きやすい環境をつくっていけば、企業全体の生産性も高まるでしょう。
高年齢者向けの社内制度を検討中の場合、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお、本助成金には、ほかにも支給条件が細かく決定されていますので、詳細は厚生労働省や、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページをご確認ください。

出典:
厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html

(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構ホームページ
http://www.jeed.or.jp/elderly/subsidy/subsidy_hyouka_h3104.html


※本記事の記載内容は、2019年10月現在の法令・情報等に基づいています。