税理士法人大沢会計事務所

障害者に対するトライアル雇用で、最大24万円を助成!

19.03.12
ビジネス【助成金】
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障害者雇用促進法により、事業主には、法定障害者雇用率を上回る障害者を雇用する義務がありますが、まだ雇用したことのない事業主にとっては、わからないことも多いと思います。
そのような場合に役立つのが、『障害者トライアル制度』とその助成金『トライアル雇用助成金』です。
原則3カ月のトライアル雇用で、働く様子を見てから採用の判断をします。
そのため、事業主側も職場とのミスマッチを防げるだけでなく、必要な環境整備もでき、障害者雇用への不安を解消できます。 
今回は、この助成金をご紹介します。
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『トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)』

障害者に対して試行(トライアル)雇用を行う事業主に対して助成するものであり、障害者雇用についての理解を促し、試行雇用後の継続雇用への意向の促進を目的としたものです。
ハローワークなどの紹介で障害者を一定期間雇用し、その適性や業務遂行の可能性を見極め、求職者および求人者の相互理解を促進させ、障害者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ります。
継続雇用する労働者へ移行することを目指し、原則3カ月間の試行雇用を行うことにより、対象者の適性や業務遂行可能性などを実際に見極めることができます。

【対象となる事業主】
次のすべての要件に該当する事業主が対象となります。
(1)雇用保険適用事業所であること
(2)支給のための審査に協力すること
(3)対象者を雇入日の前日から起算して6カ月前の日からトライアル雇用を終了した日までに雇用保険被保険者を事業主都合により解雇していないこと
(4)障害者トライアル雇用等を開始した日の前日から起算して過去3年間に、別の障害者トライアル雇用等を実施したことがあり、それらの障害者トライアル雇用等を実施した後に継続雇用する労働者として雇用しなかった対象労働者の数と、支給申請をしなかった対象労働者の数の合計が以下の(ア)と(イ)のいずれかに該当すること
 (ア)3人以下
 (イ)障害者トライアル雇用等を実施した後に継続雇用する労働者として雇用した対象労働者の数を上回らないこと

【対象となる労働者】
次の(1)(2)の要件に該当する労働者が対象となります。
(1)継続雇用する労働者としての雇入れを希望している者であって、障害者トライアル雇用制度を理解した上で、障害者トライアル雇用による雇入れについても希望している者
(2)障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次の(ア)~(エ)のいずれかに該当する者
 (ア)紹介日において就労(学校在学中のパート・アルバイトなどを除く)の経験のない職業に就くことを希望している者
 (イ)紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある者
 (ウ)紹介日前において離職している期間が6カ月を超えている者
 (エ)重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

【障害者トライアル雇用の要件(抜粋)】
 ア 期間は原則3カ月(精神障害者は原則6カ月)
 イ 期間中の1週間の所定労働時間は20時間以上
 ウ 障害者トライアル雇用の開始日から2週間以内に実施計画書を提出する

【雇入れ条件】
対象労働者を次の(1)~(3)の条件によって雇入れることが条件となります。
(1)ハローワークまたは民間の職業紹介事業者など(具体的定めあり)の紹介により雇入れること
(2)障害者トライアル雇用をすること
(3)障害者トライアル雇用の期間について、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと

【支給額】
障害者トライアル雇用期間における支給対象者1人につき月額4万円。最大12万円。(精神障害者を雇用する場合は、雇入れから3カ月間は月額8万円。最大24万円)
ただし、支給対象者の所定労働日数より少なく勤務した場合は、以下の計算式にて計算された額を支給する。

(計算式)        


割合75% ≧ ア……支給月額4万円(精神障害者雇用後3カ月間の場合8万円) 
  50% ≦ ア < 75%……支給月額3万円(精神障害者雇用後3カ月間の場合6万円) 
  25% ≦ ア < 50%……支給月額2万円(精神障害者雇用後3カ月間の場合4万円) 
   0% ≦ ア < 25%……支給月額1万円(精神障害者雇用後3カ月間の場合2万円) 
        ア =0%……不支給 

トライアル期間終了後に本採用とならなかった場合も助成金は支給されますが、トライアル期間中に企業都合の雇い止めや解雇があった場合は、支給の対象外となります。
また、従業員側から退職した場合は、実際に雇入れていた期間が奨励金支給の対象となります。

なお、この障害者トライアルコースは、1週間の所定労働時間が20時間以上を要していますが、そこまでの労働がむずかしいと思われる障害者には、週10時間以上20時間未満の『障害者短時間トライアルコース』として申請することも可能です。
こちらは条件が多少異なりますので、ご注意ください。


現在、民間企業の法定障害者雇用率は“2.2%”で、従業員が45.5人以上から雇用の義務が発生します。
さらに、従業員が100人を超える事業主には、障害者雇用納付金制度により、雇用が不足している障害者の人数1人に対し、月5万円(例外あり)の徴収が行われます。
1人不足している状態が1年続いた場合、年間で60万円の徴収が行われることになります。
今後は、この法定障害者雇用率も上がっていき、障害者の雇用はますます促進されることが予想されます。
障害者雇用を予定している企業は、ぜひ利用を検討されてみてはいかがでしょうか。

出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html 


※本記事の記載内容は、2019年3月現在の法令・情報等に基づいています。