税理士法人大沢会計事務所

不動産所得の事業的規模とは?

18.05.07
税務・経営お役立ち情報
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個人が不動産(土地・建物)を貸付けした場合、その収入は不動産所得として所得税の課税対象となります。

不動産所得はその不動産貸付けが事業として行われているかどうかによって、所得金額の計算で適用できるものが変わってきます。


事業として行われているかどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断することとされていますが、建物については形式的な判断基準があります。いわゆる「5棟10室基準」とよばれるものです。
5棟10室基準とは、①貸間、アパート等については貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上ある、もしくは②独立家屋の貸付についてはおおむね5棟以上である、のいずれかの基準を満たせば事業として行われているものとして取り扱うというものです。

不動産の貸付が事業として行われている場合に所得金額の計算で適用できる主なものは以下のとおりです。

1.青色申告特別控除(65万円)
青色申告特別控除で65万円控除するためには事業的規模を満たす必要があります。

2.青色申告の事業専従者給与、白色申告の事業専従者控除
不動産貸付が事業的規模の場合にのみ事業専従者給与、事業専従者控除の適用があります。

3.賃貸用建物の取り壊し、除却などの資産損失の全額必要経費算入
不動産貸付が事業的規模の場合にのみ資産損失が全額必要経費に算入できます。事業的規模を満たしていない場合は資産損失を差し引く前の不動産所得の金額が必要経費に算入する限度額となります。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
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