税理士法人大沢会計事務所

主体的に動く部下を育てるコツ

17.08.17
人事・労務お役立ち情報
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「うちの従業員は言われたことしかやらなくて、、、」
「自分の頭で考えたり行動しようという意思が部下から全く感じられない」
といった、お嘆きの言葉をよく耳にします。


今回は、主体的に動く部下を育てるコツをご紹介します。

自分で決めれば「自分事」の仕事になる


部下の主体的な行動を導く方法の一つに「自分で決めた」と自覚できる働きかけをしていくことがあげられます。

部下に指示や助言を一方通行的に伝えた場合「上司に言われたからやらなければ」という「やらされ感」を持った仕事になりがちです。
逆に、自ら決めて「自分事」になった仕事には大きな責任感と期待感を持って仕事に取り組むようになります。

部下が「自分で決めた」と自覚できるような働きかけが上手にできれば、部下は主体的に考え、行動するようになっていくのです。



はじめは小さな決定から


多くの人は「自分で決める練習」をしてきていないので「自分で決める」ことに伴う責任やプレッシャーは避けたいものです。だから無意識のうちに相手に決めてもらおうとします。

部下が「上司に決めてもらう」ことは「自分のせいではない」と言える保険になっていますが、
そういう行動を続けてしまうと依存的な部下になってしまいます。

部下には急に大きな決断を任せるのではなく「小さな決定」をたくさん用意して、積み重ねることで訓練していきましょう。

「自分で決めた」という経験をたくさん積むことで「決める力」が身についていきます。
自発的な行動を促し、失敗も成長の糧と理解させていけば部下の決める力はどんどん高まっていきます。



できるだけ委ねる


部下に「自分で決めた」ことを自覚させるためには、質問を上手に使うと効果的です。
「なにを」「いつまでに」「どのように」といったポイントを上司が100%指示するのではなく、部下に決めてもらいましょう。
あまりにも的外れの答えが返ってきたときは、状況や都合を話してうまく誘導していきましょう。

大切なことは、最終的に自分で決めさせて明言させることです。
できるだけ決定権を部下に委ねることができるかどうかがカギになります。

部下が自分で決めざるを得ない環境を作り、自分で決める練習を積み重ねることで、言葉に責任を持つ姿勢や自信がついてきます。



今回ご紹介した方法は一見すると面倒に感じられますが、部下の思考と行動を変えるには大切な考え方です。
「時間がない」「余裕がない」と片付けてしまいたくもなりますが、人を育てるためには手間をかける努力が必要です。
回り道のように感じる方法が、実は一番の近道だったりするものです。


社会保険労務士 大沢富士夫