税理士法人大沢会計事務所

時間外労働の上限設定を改善することでもらえる「職場意識改善助成金」

17.06.16
ビジネス【助成金】
dummy
今年3月、政府は第10回働き方改革実現会議において「働き方改革実行計画」を決定しました。

これは、同一労働同一賃金の実現や罰則付きの残業時間の上限規制導入に向けて取り組んでいくための計画です。

政府は4月以降、労働政策審議会で法制化の議論に着手し、労働基準法改正案など関連法案の今国会提出を目指します。

法案審議は秋の臨時国会以降になる見通しで、法施行は春闘などでの労使協議も考慮し、早ければ平成31年4月になる予定です。

今回、ご紹介する助成金は「働き方改革実行計画」の中でも目玉のひとつになっている時間外労働の上限設定に取り組む中小企業に対して支給されます。
dummy
【支給要件】
●支給対象となる事業主
「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」に規定する限度時間(月45時間、年360時間等)を超える内容の時間外・休日労働に関する協定(特別条項)を締結している事業場を有している中小企業事業主。

※各事業場において、過去に特別条項を廃止したことがある場合と、適用除外の事業または業務を行なう労働者がいる事業場は除かれます。

●支給対象となる取り組み
いずれか1つ以上の実施が要件です。

○労務管理担当者に対する研修
○労働者に対する研修、周知・啓発
○外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
○就業規則・労使協定等の作成・変更(時間外・休日労働に関する規定の 整備など)
○労務管理用ソフトウェアの導入・更新
○労務管理用機器の導入・更新
○デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
○テレワーク用通信機器の導入・更新
○労働能率の増進に資する設備や機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、飲食店の自動食器洗い乾燥機など)

※原則としてパソコン・タブレット・スマートフォンは対象となりません。

●成果目標の設定
事業主が事業実施計画において指定した全ての事業場において、限度基準(月45時間、年360時間等)以下の上限設定を行なうこと。


【支給額】
成果目標を達成した場合に、支給対象となる取り組みの実施に要した経費の一部を支給します。

●対象経費
謝金・旅費・借損料・会議費・雑役務費・印刷製本費・備品費・機械装置等購入費・委託費

●助成額
対象経費の合計額×補助率(3/4)

※上限額は50万円


【締め切り】
申請の受付は平成29年12月15日(金)までです。

※支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、12月15日以前に受け付けを締め切る場合があります。

中小企業は大手企業と比べると時間外労働の削減は難しく、取り組むことにためらう事業主様もたくさんいらっしゃることかと思います。

しかし遠くない未来、時間外労働時間に罰則付きの上限が設けられ、法律で取り締まられることが想定されます。

時間に余裕がない中小企業だからこそ、早めの対策がお勧めです。ご検討の際には専門家へご相談ください。


専門家が教える! 最新助成金情報