税理士法人大沢会計事務所

叱るときに気をつけたい、ちょっとしたこと

17.06.08
人事・労務お役立ち情報
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「部下をうまく叱れない」そんな悩みをよく耳にします。
叱るのは誰でも嫌なものです。
しかし、上手に叱ることができれば、部下のやる気をそぐことなく成長をうながすことができるはずです。

今回は部下の上手な叱り方のポイントをご紹介します。

「怒る」ではなく「叱る」

「怒る」とは、自分の感情を解消するための自分本意の行為です。
一方「叱る」は、部下の成長や望ましい行動を促す相手本意の行為です。

怒って感情的に責めても、部下はただ萎縮してしまうだけです。
叱るときには、部下を「諭す」「納得させる」ような意識を持って接しましょう。

部下が「そうだな!・なるほど!」と腑に落ちる感覚をもたせるように、
できるだけ部下自らが決める場面をつくり、自分で決めたと感じられるような話し方の工夫をしましょう。



短く叱る

途中で部下が納得、理解したようであればその時点で切り上げましょう。
しつこくなると聞く耳を持たなくなってしまいます。
全部言いたい気持ちがあっても我慢我慢。



気づいたときに叱る

忙しいからあとで、ではなくすぐに叱りましょう。
その場その時で叱るのが一番相手に伝わるタイミングです。
しかし相手に余裕がない場合に限っては、別のタイミングでもいいでしょう。



その件だけを叱る

複数の件をためておいて、それを一度で叱るというのはやめましょう。
「あんなこともあった、こんなこともあった」とついつい指摘したくなる気持ちも分かりますが、
「そんな前のことをなんで今頃になって叱られなくてはならないんだ」と、部下の反発を招くだけです。



行為や事柄を叱る

叱る時には、行為や事柄だけを指摘しましょう。
決して人間性を責めるようなことをしてはいけません。
人間性を責めれば部下は腐ってしまって、モチベーションが低下してしまいます。
「だからお前はダメなんだ」
「こんなこともできないのか?」
「やっぱりイマドキの若いやつはダメだな」
などといった発言は叱る上で絶対避けたいNGフレーズです。

部下が同じ失敗を繰り返さないように、
「一体、何がいけなかったのか」を明確に部下に伝えて理解してもらいましょう。



叱りっぱなしにしない

「どう叱るか」以上に大切なのが、叱った後のフォローです。
叱ったあと、少し時間をおいてから
「さっきは少しきつく言ったが、君なら必ず改善できる。期待してるよ」
というような、やさしくポジティブな言葉をかけましょう。
このような上司のちょっとした心遣いの一言が、部下の仕事へのモチベーションを高めるのです。




「叱る」という行為は、ただこちらの感情を伝えるのではなく、
部下の可能性を広げるために行う大切なコミュニケーションです。

今回ご紹介したポイントをしっかりおさえ、部下と真摯に向き合い、
部下の成長を促し、部署や会社全体の成長へとつなげていきましょう。


社会保険労務士 大沢富士夫