税理士法人大沢会計事務所

「五月病」の新入社員はいませんか?

17.05.11
人事・労務お役立ち情報
dummy
「五月病なんてただの連休明けの休みボケでしょ」
そんなふうに思っていませんか?
「五月病」は正式な病名でこそありませんが、その実態は「適応障害」や「うつ病」といった様々な心の病気です。 
「気のせいだ、たるんでいるだけだ、根性が足りない」などと軽く考えて放置していると、大きな問題となってしまうこともあります。

ゴールデンウィークも終わり、出社してきた新入社員のようすはいかがでしょうか? 
「なんだか元気がないな」「五月病かな?」と思うような人はいませんか?


環境の激変は、本人が思うよりも、肉体的な疲労と精神的な緊張をもたらすものです。
環境の変化のなかで、自分自身でも気がつかないうちに、疲労と緊張を極度に溜め込んでしまうことがあります。


その緊張がゴールデンウィークの休暇で途切れることで、休み明けの5月中旬くらいから「元気がない」状態に陥ってしまう。
これが、いわゆる「五月病」です。
近年では6月に発症することも多く「六月病」というのも増えてきているようです。
 


一つひとつは小さなことだとしても、積み重なれば、大きなストレスになります。
溜まったストレスが表面化してくるこの時期は、入社直後以上に新入社員のようすに目を配らなければなりません。


五月病の具体的な症状は
「なんとなく気分が落ち込む」「疲れやすく仕事に集中できない」「眠れない」などがあり、
悪化してくると「食欲不振」「胃の痛み」「めまい」「動悸」
などの肉体的な症状が現れます。
こうなってくると仕事だけでなく日常生活に支障をきたし、周囲への悪影響というものを考えざるをえません。 


職場では、
「仕事に集中できていない」「口数が少なくなる」「常に疲れているように見える」「すぐに疲れを口にする」
などの症状が現れたら要注意です。



5月病になりやすい人の5つの特徴

いわゆる「がんばり屋さん」が五月病になりやすいようです。

具体的には、 
1,理想が高い
2,真面目な
3,責任感がある
4,忍耐力がある
5,融通が利かない
といった特徴があります。

部下の5月病を防ぐためには、この5つの特徴をどう和らげてあげるかにかかってきます。



理想が高い人には…
「君に求められているのは〇〇だよ」「まずは〇〇をクリアしよう」といった言葉で、ハードルを下げてあげましょう。
 

真面目な人には…
「人生、真面目だけが重要なのではない」「時には遊びも必要だぞ」といった言葉で、
自分の不真面目な一面を見せるなど「真面目すぎ」を和らげる方法をとりましょう。
部下が張り詰め過ぎないような工夫をしましょう。
 

責任感がある人には…
「失敗しても周りがカバーしてくれるから大丈夫」「君の仕事の責任は私がとる」「自分も昔はこんな失敗をしたな」
といった言葉で過剰な責任感を適度に和らげてあげましょう。
 

忍耐力がある人には…
「ひとりで抱え込まず、気軽に相談してね」「何か困ったことはない?」といった言葉でこちらから声をかけてあげましょう。
「我慢しすぎ」という状態を防いであげましょう。
 

融通が利かない人には…
「もっとゆっくりでいいよ」「周りを見て臨機応変にいこう」といった言葉で、プレッシャーを和らげてあげましょう。


以上のように、新入社員をよく観察し、まめにコミュニケーションを取ることで「頑張りすぎ」を防ぎましょう。



能力があり、実際には仕事でパフォーマンスが出せる人ほど、五月病で成果が出せないことに苦しんで職を離れてしまうケースが少なくありません。


五月病を軽視して、真面目で良い社員や才能ある社員が会社を去ってしまうのは非常にもったいないことです。

職場を見渡せる立場の人が早めに「五月病」に気づき、手を差し伸べ、適切なケアをおこなうことで良い人材を守りましょう。


  
社会保険労務士 大沢 富士夫