災害義援金等を支払った場合の税金
今年も豪雨などで全国各地で災害が発生しました。
個人や法人(会社)が被災地の地方公共団体等に義援金を支払った場合、税務上どのように取り扱われるかについてまとめました。
・個人
個人の方が、被災地の地方公共団体に設置された災害対策本部に対して支払った義援金は「特定寄附金」に該当し、所得税の寄附金控除の対象となります。なお、この義援金は地方公共団体に対する寄附金として個人住民税の寄附金控除の対象となり、原則としてふるさと納税に該当します(ワンストップ特例制度の適用も可能)。
日本赤十字社や社会福祉法人中央共同募金会等が被災者への支援を目的として専用口座を設けて義援金を募集している場合に、その義援金が最終的に地方公共団体(義援金配分委員会等)に対して拠出されるものであるときは、個人の方が支払った義援金については、「特定寄附金」に該当し、寄附金控除の対象となります。なお、当該義援金は、地方公共団体に対する寄附金として個人住民税の寄附金税額控除の対象となり、原則としてふるさと納税に該当します(ワンストップ特例制度の適用は不可)。
(ふるさと納税を行った場合の控除)
個人の方が、総務大臣の指定を受けた都道府県・市区町村に対する寄附(ふるさと納税)を行った場合、確定申告により、その寄附金のうち2千円を超える部分の全額が、①寄附を行った年分の所得税と②翌年度の住民税のそれぞれから控除されます。なお、所得税の所得控除の対象となる寄附金の額は、総所得金額等の40%が上限となっており、住民税については基本分((寄附金-2千円)×10%)以外の特例分(所得税の税率に応じて控除額が計算される分)について住民税の所得割額の2割が上限となっています。
・法人(会社)
法人(会社)が、被災地の地方公共団体に設置された災害対策本部に対して支払った義援金は、「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金の額に算入されます。
日本赤十字や社会福祉法人中央募金会等に対して支払った義援金についても、その義援金が最終的に義援金配分委員会等に対して拠出されることが募金趣意書等において明らかにされているものであるときは、同様に「国等に対する寄附金」に該当することとなります。
法人(会社)が、不特定又は多数の被災者を救援するため緊急に行う自社製品等の提供費用は、広告宣伝費に準ずるものとして全額が損金の額に算入されます(寄附金または交際費等に該当して損金算入が制限されることはありません)。
法人(会社)が、被災した取引先に対し、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間において支出する災害見舞金は、寄附金又は交際費等に該当せず損金の額に算入されます。
公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/