消費税の非課税取引とは
選挙を控えて、消費税の減税が話題になっていますね。消費税は日本国内で消費される財貨やサービスに対して広く負担を求める税金です。
原則として日本国内におけるすべての取引が課税対象になりますが、消費に負担を求める税としての性質上や社会政策的配慮から課税の対象とされない取引「非課税取引」というものがあります。
「非課税取引」の具体的な事例についてご説明します。
消費税の非課税取引の主なもの
・住宅の貸付け
契約において人の居住の用に供することが明らかにされているもの(契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかなものを含みます。)に限られます。ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。
・土地の譲渡及び貸付け
土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。
ただし、1か月未満の土地の貸付けおよび駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。
・社会保険医療の給付等
健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療などは非課税となります。ただし、美容整形や差額ベッドの料金および市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。
・介護保険サービスの提供等
介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなどは非課税となります。ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。
・学校教育
学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料などは非課税となります。
・預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金などは非課税となります。
・有価証券等の譲渡
国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡は非課税となります。ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。
・商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
公認会計士・税理士 大沢日出夫
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