税理士法人大沢会計事務所

103万円の壁とは?

24.11.06
税務・経営お役立ち情報
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10月の総選挙後、国民民主党と与党の政策協議の中で、いわゆる「103万円の壁」が話題になっています。
103万円の金額というのはどのような算定根拠になっているのでしょうか。

103万円という金額は、所得税の計算で使用される48万円の「基礎控除」と給与収入について所得を計算する際に使用される「給与所得控除」の最低金額55万円の合計額です。
給与収入が103万円以下であれば、給与所得控除と基礎控除の合計額により課税される所得がゼロとなり、所得税が発生しないことになります。

また、本人の所得税の計算だけでなく、他の人の「扶養控除」(一般の控除対象扶養親族の場合は控除額38万円)の対象になるかどうかも給与収入が103万円以下であれば対象となり、給与収入が103万円を超えれば対象外となります(他の所得が全く無い場合)。

配偶者について適用される「配偶者控除」も103万円以下か超えるかで対象となるかどうかが変わってきます。ただし、配偶者については「配偶者控除」が適用できない場合でも「配偶者特別控除」という控除があるので、例えば控除を受ける納税者の合計所得金額が900万円以下の場合は、配偶者の給与収入が150万円以下であれば38万円の「配偶者特別控除」を受けることができます。
配偶者の場合は単純に103万円に壁があるわけではなく、現行の制度は控除を受けれられなくなる壁がどの額になるかは配偶者の所得だけでなく納税者本人の所得も影響するとても複雑な制度になっています。

また、上記の説明は所得税の計算過程の説明で、社会保険はまた別の基準(いわゆる130万円の壁)で扶養対象となるかどうかの判定があり、働く事業所の従業員数によっても変わってきます。「壁」をどのように変更するかは所得税の制度だけでなく、社会保険についても同時に議論が必要なものではないかと思います。

                                                                   公認会計士・税理士 大沢日出夫
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