店舗兼住宅を売った場合の特例適用について
個人が、マイホーム(居住用財産)を売ったときに一定の要件を満たした場合、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
この特例の適用について、個人事業者の方が店舗併用住宅を売った場合はどのような取り扱いになるのでしょうか。
1つの家屋の中に居住用部分と店舗用部分が一緒になっている店舗併用住宅を売ったときに、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例などの適用を受けることができるのは、店舗併用住宅のうち自分の居住の用に使っていた部分に限られます。
なお、居住の用に使っていた部分が全体の90パーセント以上であるときは、全体を居住の用に使っていたものとしてこれらの特例の適用を受けることができます。
①家屋のうち居住の用に供している部分は以下の算式により計算します。
(その家屋のうち居住の用に専ら供している部分の床面積A)+
(その家屋のうち居住の用と居住の用以外の用に併用されている部分の床面積)×A/(A+居住の用以外に専ら供されている部分の床面積)
②敷地のうち居住の用に供している部分は以下の算式により計算します。
(その土地等のうち居住の用に専ら供している部分の面積)+
(その土地等のうち居住の用と居住の用以外とに併用されている部分の面積)×(その家屋の床面積のうち①の算式により計算した床面積)/(その家屋の床面積)
公認会計士・税理士 大沢日出夫