派遣労働者の賃金決定に関する特例

令和3年派遣労働者の賃金決定についての特例措置が公開されています。派遣労働者の賃金を決めるにあたり、労使協定方式を採用している会社が約9割と非常に多く、局長通達における賃金構造基本統計調査と職業安定業務統計を用いて賃金額を算定されているケースがほとんどです。しかし、昨今の新型コロナウイルス感染症による経済・雇用への影響がある中で、前年より平均的に水準が上がっている令和元年（度）の賃金統計数値を用いて賃金額を算定することは難しいと考えられています。そのため、

厚生労働省は令和3年度の局長通達について、派遣労働者の雇用維持・確保の観点から、労使協定締結の当事者である労使が協議し、合意した場合には「平成30年（度）の統計調査等」を用いることも可能としています。つまり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている職種・地域の派遣業務を行っている会社は、平成30年度の賃金統計をベースに派遣労働者の賃金を据え置いても良いということになります。ただし、あくまでも新型コロナウイルス感染症の影響を受けていると判断できる場合の特例措置となりますので、特例措置として認められるには下記の要件を満たしている必要があります。
会社が一方的に賃金を据え置く事は出来ず、主観的・抽象的な理由のみでは特例として認められないため、上記の根拠が示せない場合は原則ルールが適用になる点にはご注意ください。