社会保険労務士法人杉原事務所

ネイルやまつエクなど「髪以外の美容」を別店舗でオープンするメリットは?

17.05.02
業種別【美容業】
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東京都内で美容室2店舗を経営するS代表は、都内でネイルやまつエク(まつげエクステンション)、アイラッシュなど「髪以外の美容」を扱う店舗を別途設けています。 

髪とそれ以外の美容を別店舗で行う狙いとメリットはどこにあるのか? 

S代表に話をうかがいました。 
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■「若手スタッフ」「リタイアからの復帰組」「ヘア以外の美容産業志望者」にとってうってつけの職場 
髪と髪以外の美容をそれぞれ別店舗で行う理由として、S代表は、まつエクやアイラッシュの特徴を2つ挙げています。 

・美容師資格が必要な施術 
・短期間で技術習得が可能 

以上から、髪以外の美容は人材確保の点でメリットがあります。美容師を目指す若手スタッフにとって、髪以外の美容はうってつけの職場になりうるのです。 

店舗側にとってはスタッフが短期間で戦力化します。スタッフ本人にとっても、仕事の幅が広がり収入がアップするチャンスでもあります。 

また、髪以外の美容は、結婚や出産、育児で一度リタイアした美容師にとっても、復帰の場として有効です。技術の勘を取り戻すことができ、美容師復帰のハードルを下げる効果があります。 

最近では、まつエクやネイル、エステなど、ヘア以外の美容産業への就職を志望して、美容師免許取得を目指す学生が散見されます。そうした層を労働力として取り込める点も、髪以外の美容を別店舗で行うメリットと言えるでしょう。 


■静かな環境で「お姫様気分」を提供 
一般的には、美容室の中にネイルやまつエクなどを施術するスペースを設けている例は少なくありません。あえて別店舗にした狙いとしてS代表は「お客様にお姫様気分を提供するため」と語ります。 

都心のあまり広くない店舗で、ヘアカットと髪以外の美容を併設すると、どうしてもカット中の作業音や他人の声が聞こえてしまいます。すると、ネイルやまつエクのお客様は幻滅してしまいます。 

「ネイルやまつエクは月に一度のぜいたくで、自分へのごほうび」というお客様が多いことから、S代表の髪以外の美容店舗では、静かな環境を整備。ネイルとまつエクを2人のスタッフが同時にそれぞれ施術することで、お姫様気分を提供しています。 


■アイドルタイム対策としてヘアカットとデトックスメニューを導入 
S代表の、髪以外の美容店舗では、アイドルタイム対策としてヘアカットとデトックスメニューを導入しています。1席だけヘアカットの個室を設けて、アイドルタイムの売上に貢献。スタッフのカット技術向上にも役立てています。 

デトックスメニューとは、「よもぎ蒸し」というメニュー。イスの下にある機械でよもぎをお湯でたいて、その蒸気を身体内部に採り入れます。体温上昇効果で妊活や生理不順、ダイエットなどに期待できるとも言われています。簡単な施術講習を受ければ誰でもサービスを提供できる点も見逃せません。 


■カット技術が発展途上のスタッフでも売上に貢献できる 
ヘアカットなどの技術が発展途上にあるスタッフは、どうしても売上に貢献できない時期があります。しかし、技術のハードルが高くない、ネイルやまつエクに特化した店舗を設けることで、若手スタッフが売上に貢献できます。 

スタッフは売上に貢献できると自信が生まれ、技術がさらに向上します。すると、サロンの経営が上向くという好循環が生まれることを、S代表は理想としています。 


となりのヘアサロン 


【記事提供元】サロンオーナー2017年3月号(理美容教育出版)