長時間労働に対する監督指導が行われています
厚生労働省は令和5年度に長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した監督指導結果を公表しました。公表によると、監督指導実施対象となった26,117事業場のうち、11,610事業場(44.5%)で違法な時間外労働が確認され、是正・改善に向けた指導が行われています。
このうち1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は、5,675事業場(違法な時間外労働があったもののうち48.9%)に上り、前年(37.1%)と比較して11.8%上昇した結果になります。
また指導件数に対して労働基準法令違反の割合が最も多い業種は「接客娯楽業」で指導3,052件に対し、違反が2,687件と約88%の事業所で法違反が確認されました。
長時間に及ぶ時間外労働は「脳・心臓疾患」のリスクとなり得ます。脳・心臓疾患の発症と業務との関連性について、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まり、発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合、業務と発症との関連性が強いと評価されています。
昨今では、労働基準法違反となる100時間を超える時間外労働を行った事業主等が書類送検される事例も見受けられます。長時間労働を防止するためには、企業側の取り組みと労働者自身の意識改革が必要となりますが、防止策や具体的な取り組みについてお困りでしたらご相談ください。
【厚生労働省HP】長時間労働が疑われる事業場に対する令和5年度の監督指導結果を公表
【厚生労働省HP】脳・心臓疾患の労災補償について
【厚生労働省報道資料】令和5年度監督指導結果
【厚生労働省リーフレット】脳・心臓疾患の労災認定