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平成28年度税制改正で創設された「スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)」とは?

16.02.12
ビジネス【税務・会計】
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平成28年度税制改正で創設された、自分の健康は自分で守る「セルフメディケーション」を促進させる狙いの、スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)について解説します。
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まず、「OTC薬」というと、一般的にはまだ聞きなじみのない名称です。「OTC」とは英語の「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略。カウンター越しに販売する薬のことで、いわゆるドラックストアなどで販売されている大衆薬や一般薬を指します。 

そのうち「スイッチOTC薬」とは、もともとは処方せんを病院でもらわなければ入手することができなかった薬が、安全性や有効性を考慮し、「医師の診断のもとでなくても使用できる」と判断され、OTCに切り替えられた薬のことをいいます。 

このスイッチOTC医薬品について、個人が健康の維持増進及び疾病の予防について、下記に列挙した取り組みのために対価を支払った場合には、医療費控除の特例の適用があります。 

1.特定健康診査 
2.予防接種 
3.定期健康診断 
4.健康診査 
5.がん検診 

この特例の適用によって控除される金額は、支払った対価の合計額が1万2千円を超えるときの、その超える部分の金額であり、8万8千円が上限とされます。 

今回の特例の適用の対象となる、OTC医薬品については、現行の医療費控除でも適用対象になるものがありますが、現行の医療費控除との重複適用はできないため、注意が必要です。 

ただ、現行の医療費控除は、支払った額が10万円または総所得金額等の5%を超える必要があります。OTC医薬品に限れば、今回の特例は医療費控除のハードルが下がったといえます。 

適用対象期間については、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に支払った対価について適用になります。 

実務的な取り扱いは立法後に整備されることが予想されますが、現状の医療費控除の計算については、年末調整では行うことができず、確定申告が必要になります。 

今回の改正において、医療費控除のハードルが下がります。この特例の計算が年末調整の計算で可能になるなどの改正があれば、より使いやすい制度になると考えられます。


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