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チャレンジャーには、異なる2つの戦略がある[佐藤達郎のマーケティング論]

13.12.01
ビジネス【マーケティング】
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以前に市場での地位は大きく4つに分かれ、
リーダー/チャレンジャー/
フォロワー/ニッチャーと
位置付けられることと、
あなたの所属する組織が
リーダー的存在である場合に
気を付けるべきことについて、考えました。

今回は2位か3位、チャレンジャー的
地位にいる場合について考えてみましょう。
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チャレンジャーとは規模においても
実力においても、トップを狙える
地位にある組織をいいます。

しかしトップを狙えるからと言って
必ずしも狙う必要があるわけではなく、
チャレンジャーは「攻撃的チャレンジャー」と
「共生的チャレンジャー」に分けられます。

あなたの活躍している業界が比較的若い業界で、
リーダーの地位が盤石ではない場合、
攻撃的チャレンジャーとなって
リーダーに戦いを挑み、
その分野でのトップの座を
つかむことは魅力があります。

リーダーは顧客に対して
相対的に高めの価格設定ができ、
発注先に対しては相対的に
低めの発注額を要求できるからです。

攻撃的チャレンジャーの
基本戦略は「差別化」です。
リーダーのミニ版として活動していたのでは、
リーダーを越えることはできません。

いま現在、相手の方が大きく
経営資源も多く持っているわけですから、
同じことをしていては勝てないわけです。

目に見えてスピーディーな対応をし、
それを売りにするとか、
相手が週に2回しか対応しないところ、
こちらは3回、4回と対応するとか、
相手先にはいないタイプのアドバイザーをそろえるとか、
とにかく「差別化」することを考えます。

この際に気を付けるべきことは、
リーダーは「同質化」してこようとする、
ということです。

あなたが納期を早めれば、
向こうも早めてくるかもしれない。

従って、相手がマネしてきづらい
「差別化」を考える必要が出てきます。

たとえば、ジョンソン&ジョンソンという会社が、
ブラシの部分が小さいので
奥歯まで良く届くという歯ブラシ
「リーチ」を売り出した例です。

リーダー企業のライオンは、
歯磨き粉でもトップで、
歯ブラシの主流がリーチ型になってしまうと、
歯磨き粉の売り上げが落ちてしまうので、
「同質化」できなかったと言われています。


次回の佐藤達郎のマーケティング論は
「無理にトップを狙わないチャレンジャーの在り方。
市場地位別のマーケティング・その3」をお届けします。

[プロフィール]
佐藤 達郎(さとう・たつろう)
多摩美術大学教授(広告論 / マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。

佐藤達郎のマーケティング論

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