グッドブリッジ税理士法人

新規事業展開やデジタル化に伴う訓練を実施した事業主に向けた助成

23.03.06
ビジネス【助成金】
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いくつかのコースに分かれている『人材開発支援助成金』は、事業内の職業能力開発計画を立て、計画に沿って従業員に職業訓練を実施する事業主を支援する制度です。
そのなかの『事業展開等リスキリング支援コース』は、2022年12月に新設されました。
今回は、新事業への進出、新商品開発やデジタル化などに伴い、労働者に対して新たな分野で必要となる知識および技能を習得させるための訓練を計画に沿って実施した場合に、経費や賃金の一部を助成するコースについて紹介します(※この記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しています)。
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事業展開等リスキリング支援コース

人材開発支援助成金のうちの一つ、『事業展開等リスキリング支援コース』は、企業の持続的発展のため、新製品の製造や新サービスの提供などにより新たな分野に展開する、またはデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーン・カーボンニュートラルといった成長分野の技術を取り入れ業務の効率化などを図るため、下記の(1)または(2)に取り組む事業主を対象に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
(1)新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴う人材育成
(2)業務の効率化や脱炭素化などに取り組むため、デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化に対応した人材育成
 
【支給対象となる事業主】
次のすべての要件を満たす必要があります(このほかにも要件があります)。
1.雇用保険適用事業所の事業主であること
2.労働組合などの意見を聞いて事業内職業能力開発計画およびこれに基づく年間職業能力開発計画を作成し、その計画の内容を労働者に周知していること
3.職業能力開発推進者を選任していること
4.従業員に職業訓練などを受けさせる期間中も、当該従業員に対して賃金を適正に支払っていること
5.事業展開等実施計画を作成する事業主であること

【支給対象となる労働者】
次のすべての要件を満たす必要があります(このほかにも要件があります)。
1.助成金を受けようとする事業所または事業主団体などが実施する訓練などを受講させる事業主の事業所において、被保険者であること
2.訓練実施期間中において、被保険者であること
3.訓練実施計画届時に提出した『訓練別の対象者一覧』に記載のある被保険者であること
4.訓練を受講した時間数が、実訓練時間数の8割以上であること

【主な支給要件】
●OFF-JTにより実施される訓練であること
●実訓練時間数が10時間以上であること
※eラーニングによる訓練などおよび通信制による訓練などについては、標準学習時間が10時間以上または標準学習期間が1カ月以上であること
●次の(1)または(2)のいずれかに当てはまる訓練であること。ただし、(1)の事業展開については、訓練開始日(定額制サービスによる訓練の場合は契約期間の初日)から起算して、3年以内に実施される予定のものまたは6カ月以内に実施したものであるものに限る
(1)事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練
(2)事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合に、これに関連する業務に従事させるうえで必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練

※事業展開とは:新製品や新サービスの開発、製造、提供または販売を開始すること、事業や業種を転換することや、既存事業のなかで商品やサービスの製造方法や提供方法を変更すること
※デジタルトランスフォーメーション(DX)化とは:デジタル技術を活用して業務の効率化を図ることや、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること
※グリーン・カーボンニュートラル化とは:徹底した省エネ、再生可能エネルギーの活用などにより、CO2などの温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること

【対象となる経費・賃金】
1.対象となる経費
支給申請までに対象経費の全額を申請事業主が負担していることがわかる書類が必要です。
従業員などに負担させた場合、助成金は支給されません。
(1)事業内訓練
a.部外の講師への謝金・手当(bに該当する旅費を除く旅費、車代、食費などは含めない)
b.部外の講師の旅費(車代、食費などは含めない)
c.施設・設備の借上費
d.学科や実技の訓練に必要な教科書などの購入・作成費
e.訓練コースの開発費
(2)事業外訓練
受講に際して必要となる入学料・受講料・教科書代など、あらかじめ受講案内などで定めているもの。
※国や都道府県から補助金を受けている施設が行う訓練の受講料や受講生の旅費等は対象外です。

2.対象となる賃金
訓練期間中の所定労働時間内の賃金について、賃金助成の対象となります。
※所定労働時間外・所定休日(予め別日に所定休日を振り替えた場合は除く)に実施した訓練は対象外です。
※eラーニングによる訓練など、通信制による訓練などおよび育児休業中の訓練は対象外です。

【助成率・助成額】
●経費助成:中小企業/75%(60%)
●賃金助成:中小企業/960円(480円)
※( )内は中小企業以外の助成率・助成額です。
※1事業所1年度当たりの助成限度額は1億円となります。
●受講者1人あたりの経費助成限度額
10~100時間未満:中小企業/30万円(20万円)
100~200時間未満:中小企業/40万円(25万円)
200時間以上:中小企業/50万円(30万円)
※( )内は中小企業以外の事業主の助成限度額です。
※1,200時間が限度となります。ただし、専門実践教育訓練については、1,600時間が限度時間となります。

なお、本助成金には、これ以外にも細かい支給要件があります。また、2023年3月末以降に一部内容の更新等がされる可能性がありますのでご注意ください。
詳細や最新情報については厚生労働省ホームページをご確認ください。
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001019762.pdf


※本記事の記載内容は、2023年2月現在の法令・情報等に基づいています。